2022 Fiscal Year Research-status Report
全ての患者に適応可能な代謝産物を標的とする革新的がん免疫療法の開発
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20K07539
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
柴田 健輔 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (50529972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 晶 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (40312946)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 代謝産物 / T細胞 / 免疫療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 抗腫瘍効果に関わるMR1T細胞の同定と機能解析 これまでにマウスMR1T細胞が認識するガン由来代謝産物として、世界で初めて葉酸代謝産物中間体を同定した。さらに、シングルセル解析により、ヒトMR1T細胞においても、その抗原に反応する可能性があるMR1T細胞クロノタイプを2つ同定した。令和3年度は、それらのクロノタイプのGFPレポーター細胞を樹立し、抗原との反応性を確認した。その結果、いずれのクロノタイプも抗原に対する反応性を有していた。さらに、LC/MSにより、大腸ガンにおける抗原の産生を確認した。以上の結果から、マウス大腸ガンで同定した葉酸代謝産物中間体は、ヒト、マウスMR1T細胞の種を越えた反応性を示すことが示唆された。 2. 大腸ガンマウスモデルを用いた抗腫瘍活性の解析 令和3年度は、研究代表者が同定した葉酸代謝産物中間体が抗ガン効果に寄与するのかを検討した。まず、in vitroにおいて抗ガン効果の検討を行うため、マウスMR1を発現させた大腸ガン細胞とマウスMR1T細胞由来T細胞受容体を発現させたマウスT細胞を共培養させる系を確立した。同系では、共培養を開始して24時間後に抗ガン効果の指標として、死細胞より放出されるlactate dehydrogenase(LDH)を測定した。その結果、抗ガン活性は共培養により誘導され、その活性は葉酸代謝産物中間体の添加により、有意に上昇した。次にin vivoにおける抗ガン活性を確認するため、大腸ガンを接種後、葉酸代謝産物中間体を投与することで抗ガン効果を確認した。その結果、葉酸代謝産物中間体投与によりガンサイズが縮小する傾向を認め、その効果はMR1T細胞欠損マウスでは認められなかった。以上のことから、葉酸代謝産物中間体は抗ガン効果を有することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒトMR1T細胞の同定と、大腸ガンマウスモデル を用いた解析で治療法の検討に、予想以上の時間を要したため、当初の計画より遅れている。以下に進捗状況を示した。 1. ヒト、マウスMR1T細胞が認識する世界初のガン代謝産物として葉酸代謝産物中間体を同定 2. 葉酸代謝産物中間体はマウス大腸ガンに対して抗ガン活性を有すること
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Strategy for Future Research Activity |
今後以下の点を進めていきたいと考えている。 1. 国際論文への投稿 2. 臨床応用のためのアゴニスト活性が強い誘導体合成 3. 大腸ガン患者由来腫瘍移植マウスモデルを用いたヒト大腸ガンに対する抗ガン効果の検討
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Causes of Carryover |
コロナウイルスの影響で、実験に必要な試薬及び材料の入手が遅延し、予定より計画が遅れているため。
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Research Products
(6 results)