2023 Fiscal Year Annual Research Report
全ての患者に適応可能な代謝産物を標的とする革新的がん免疫療法の開発
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20K07539
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
柴田 健輔 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (50529972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 晶 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (40312946)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 代謝産物 / T細胞 / 免疫療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該研究課題では、MR1T細胞を用いた大腸ガンに対する新たな治療法を確立するため、以下の2つの課題について研究を行った。以下にその詳細を示した。これらの結果を受けて現在、令和6年度の論文発表を目指し、投稿準備を進めている。 1. 抗腫瘍効果に関わるMR1T細胞の同定と機能解析 令和4年度までに、大腸ガンマウスモデルを用いた解析により、ガン由来のMR1T細胞認識抗原として葉酸代謝産物中間体を同定した。さらに、シングルセル解析により、ヒトMR1T細胞においても、その抗原に反応する可能性があるMR1T細胞クロノタイプを2つ同定した。令和5年度は、実際それらのヒトMR1T細胞も、マウスMR1T細胞と同様にガン抗原に対する反応性を有していることを確認した。以上の結果から、マウス大腸ガンで同定した葉酸代謝産物中間体は、ヒト、マウスMR1T細胞の種を越えた反応性を示すことが明らかとなった。 2. 大腸ガンマウスモデルを用いた抗腫瘍活性の解析 次に、MR1T細胞の抗ガン活性の検討を行った。in vitroにおいて抗ガン効果の検討を行うため、マウスMR1を発現させた大腸ガン細胞とマウスMR1T細胞由来T細胞受容体を発現させたマウスT細胞を共培養させる系を確立した。同系では、共培養を開始して24時間後に抗ガン効果の指標として、死細胞より放出されるlactate dehydrogenase(LDH)を測定した。同解析方法を用いて、令和4年度までに、in vitroにおける抗ガン活性を確認した。さらに令和5年度は、in vivoでの抗ガン活性の有無を明らかにするため、大腸ガンを接種後、葉酸代謝産物中間体を投与することで抗ガン効果を確認した。その結果、葉酸代謝産物中間体投与によりガンサイズが縮小することを明らかにした。
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