2020 Fiscal Year Research-status Report
インフルエンザ交差反応性抗体の選択と防御メカニズムの解明
Project/Area Number |
20K07545
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
高橋 宜聖 国立感染症研究所, 免疫部, 部長 (60311403)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | インフルエンザ / 交差反応性抗体 / 胚中心 |
Outline of Annual Research Achievements |
胚中心は、抗原への結合性をもとに高親和性のB細胞抗原受容体を発現するB細胞クローンを選択し、記憶B細胞として保存することによって二度なし現象を成立させる責任部位である。近年、胚中心にて病原体抗原が修飾を受け、生成された新生エピトープを利用することで、B細胞の抗原特異性を多様化させるモデルが提唱された(Dark antigenモデル)。我々の研究グループは、Dark antigenの最初の例となるインフルエンザヘマグルチニン(HA)の修飾抗原を特定し報告している。このHA抗原の中では、抗原変異が起こりづらい不変部位が新生エピトープとして提示され、その結果、抗原変異ウイルスに交差反応性を獲得したB細胞が選択される現象を見出している。本年度の研究では、この修飾HA抗原によって新生されるエピトープを網羅的に特定すべく、マウスに修飾HA抗原を免疫して誘導される交差防御抗体を網羅的に解析し、HA亜型グループ1と2を跨いで交差する新規交差防御抗体を特定した。さらに、この交差防御抗体が特定の抗体遺伝子可変領域を使用していることや、その防御メカニズムがIgGサブクラスに依存することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナの影響はあったが、おおむね順調に進展している
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Strategy for Future Research Activity |
Dark antigenによって選択された新生エピトープに対する交差防御抗体が、どのような条件下で産生され、どのようなメカニズムで防御を実施しているのか明らかにするため、様々な免疫学的な解析を実施する予定である。まず、交差防御抗体を人為的に発現したマウスモデルを構築し、どのような条件でどのような分化経路を経て交差防御抗体が産生されるのか検証する。また、交差防御抗体に様々な人為的な修飾を加えたものを用意し、IgGサブクラスに依存する防御のなかで、活性化型FcγRを介した経路や補体を介した経路など、どの経路により防御が担われているのか、検証する。
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Causes of Carryover |
年度末納品等にかかる支払いが、令和3年4月1日以降となったため。 当該支出分については次年度の実支出額に計上予定であるが、令和2年度分についてはほぼ使用済みである。
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Research Products
(8 results)