2020 Fiscal Year Research-status Report
Role of MZB1 in the regulation of gut IgA secretion during inflammatory conditions
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20K07547
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
王 継揚 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 特任講師 (80231041)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | IgA / 腸管免疫 / J鎖 / 二量体 / B細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度では、CRISPR/CAS9を用いて、MZB1またはJ鎖を欠損するJ558プラズマ細胞株を作製した。J558はIgAを分泌するが、MZB1を欠損させるとIgAの分泌量が顕著に減少していた。非還元SDS-PAGEを用いたウエスタンブロットの結果、J558とMZB1欠損J558の細胞内におけるIgA二量体の量は変わらないが、J558では二量体IgAにJ鎖が結合しているのに対し、MZB1欠損J558では二量体IgAに含まれているJ鎖の量が少なく、多くのJ鎖がフリーの状態で存在していた。これらの結果から、MZB1はJ558細胞内において、IgAとJ鎖の結合を促進する役割を果たしていることが強く示唆された。
一方、J鎖欠損J558では、通常のJ558に比べ、IgAの分泌量が減少し、さらに分泌されたIgAはほとんど単体であった。逆に、J鎖を過剰発現させたJ558においては、IgAの分泌量が増加し、分泌されたIgAはほとんど二量体であった。従って、J鎖はIgAの二量体形成と分泌を促進することが確認できた。
一方、LPS投与前後の野生型マウスの腸管におけるIgA分泌プラズマ細胞についてFACSで解析したところ、LPS刺激後では、IgA分泌プラズマ細胞はむしろ減少していた。即ち、LPS刺激による腸管IgAの増加は、腸管免疫組織におけるIgA分泌プラズマ細胞の数の増加によるものではなく、恐らく個々のプラズマ細胞のIgA分泌量の増加に起因する可能性が考えられた。次年度では、IgAの二量体形成、J鎖結合およびプラズマ細胞からの分泌におけるMZB1の役割について、さらに詳しく調べる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナの感染広がりと緊急事態宣言の影響により、マウスを用いた実験が予定よりも遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度では、年度別の研究計画に記してある実験に加え、2020年度に実施できなかった項目についても研究を進める予定。
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Causes of Carryover |
新型コロナの広がりと緊急事態宣言の影響により、予定していた一部の動物実験が実施できなかった。次年度使用額は、今年度実施できなかった動物実験を行うための予算である。
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Research Products
(4 results)