2022 Fiscal Year Research-status Report
新規lncRNA ELIT-1によるHBV複製および肝がん悪性化の分子機構
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20K07569
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
酒井 聡 浜松医科大学, 医学部, 助教 (50566081)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | lncRNA / HBV複製 / 肝がん悪性化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、申請者が発見した長鎖ノンコーディングRNA(lncRNA) ELIT-1の機能解析に関して、(1)HBV複製時におけるELIT-1の誘導機構の解明、(2)ELIT-1 によるHBV複製促進機構の解明、(3)ELIT-1を標的とした新たな治療薬の創製を目指すことである。 令和4年度は、前年度に新たにHBV複製時に誘導されることが判明したlncRNA(lincNMR)の機能解析に従事した。ELIT-1と同様に、TGFβ刺激により誘導されることが明らかとなり、その誘導機構を解析すると、TGFβ-Smad2/3の経路が寄与していることが判明した。また、lincNMRの標的遺伝子をRNA-Seqで探索すると、DNA変異に寄与するAPOBEC3Bの発現がlincNMRのノックダウンで抑制されていることが判明した。また、lincNMRはSmad2/3と結合し、APOBEC3Bの転写を活性化し発現を正に制御することも明らかになった。さらに肝がんなどのin Silico解析から、lincNMRとAPOBEC3Bの発現が高いほど、予後が悪いことも判明した。 これらデータをまとめCarcinogenesis誌に投稿し採択された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に見出した肝がんの悪性化に関与するlncRNAの機能解析を行い、論文投稿し採択されたことは予期せぬ良い事態であった。一つの論文としてまとめられた点においては、順調と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
ELIT-1だけでなくlincNMRを阻害した場合のHBV複製への寄与に関して検証する。
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Causes of Carryover |
前年度に見出したlincNMRの解析を行い、論文投稿などに時間を要したため、次年度使用額が生じた。繰り越し分を解析費用として計画している。
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