2022 Fiscal Year Research-status Report
小児腎腫瘍(腎芽腫)における11p13-14の新規原因遺伝子同定と機能解析
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20K07579
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Research Institution | Research Institute for Clinical Oncology Saitama Cancer Center |
Principal Investigator |
春田 雅之 地方独立行政法人埼玉県立病院機構埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 臨床腫瘍研究所, 研究員 (80392190)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 腎芽腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに、腎芽腫の予後予測分子マーカー探索のため腎芽腫に特化したCGH+ SNP arrayを開発した。このarrayを用い腎芽腫の染色体異常を解析したところ腎 芽腫既知原因遺伝子WT1遺伝子(11p13)近傍に共通微小染色体異常領域(11p13-14領域 1.0 Mb)を見出した。申請者はこの領域にWT1遺伝子とは異なる腎芽腫の 新規原因遺伝子があると仮説を立て、腎芽腫の新規原因遺伝子の同定および新規原因遺伝子の機能解析を実施し、腎芽腫の新規治療法のための基礎的な知見を得 ることを目的に本研究を実施する。 候補領域にLOHを呈する32症例において新規原因候補3遺伝子についてダイレクトシークエンスによる変異解析を実施したが、アミノ酸コード領域に変異はなかった。新規原因候補3遺伝子について、この領域の欠失がない多数検体にてmRNA発現が低下または消失していた。発現低下または発現消失腎芽腫検体において各遺伝子のプロモーター領域のDNAメチル化は認められず、DNAメチル化とは異なるミカニズムによって各遺伝子の発現が消失、減少している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請者や研究補助者のコロナ禍による出勤自粛や試薬調達の遅れなどが多発した。前年度、腎芽腫50症例において各遺伝子のプロモーター領域のDNAメチル化は認められず、DNAメチル化とは異なるメカニズムによって各遺伝子の発現が消失、減少している可能性が示唆された。そこで、1遺伝子についてエクソン1上流のプロモーター領域のシークエンスをこの遺伝子の発現が消失、減少している20症例で行なったが、変異は見いだせていない。
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Strategy for Future Research Activity |
各遺伝子の発現消失、減少の原因を明らかにするため、より詳細にqPCRを用いたコピー数解析を実施するとともに、プロモーター領域の変異解析をさらに実施する。また、CGH + SNP解析を実施する症例数をさらに増やす。
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Causes of Carryover |
申請者および研究補助者においてコロナ禍による出勤自粛が多かったため、研究が当初の想定のようになかなか進まなかった。さらに2遺伝子のプロモーター領域の変異解析を実施する。CGH + SNP解析を実施する症例数をさらに増やす。細胞株を用い、各遺伝子のがん抑制遺伝子としての可能性を解析する。
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Research Products
(2 results)