2020 Fiscal Year Research-status Report
新規同定一次線毛発現制御分子KATNAL2は肺腺癌幹細胞の治療標的となり得るか?
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20K07581
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
佐久間 圭一朗 愛知県がんセンター(研究所), がん病態生理学分野, ユニット長 (90402891)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 肺がん / がん幹細胞 / 一次線毛 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではこれまで、肺がん細胞の一次線毛発現制御分子として新規に同定したKATNAL2(Katanin Catalytic Subunit A1 Like 2)の機能解明を進めてきた。昨年度は、以下の2つの方法により、KATNAL2の機能へのアプローチを試みた。 1. 細胞株を用いた検討 細胞レベルでのKATNAL2の機能解明を目的として、ヒト肺がん細胞株A549のKATNAL2遺伝子をCRISPR-Cas9でノックアウトしたクローンを作成した。そのクローンの表現型を、幹細胞性や浸潤能など、様々な切り口で検討中である。一方、KATNAL2の結合分子を通して機能にアプローチする目的で、FLAG-KATNAL2を強制発現したA549のクローンを作成した。そのライゼートの免疫沈降をおこない、共沈産物から質量分析で同定されたタンパクについて、結合の検証をおこなうと共に、ノックアウトや強制発現などの遺伝学的手法を用いて、KATNAL2との結合がどのような機能的意義を持つのか、解明を進めている。 2. 生体レベルの検討 国立長寿医療センター研究所との共同研究により、KATNAL2コンディショナルノックアウトマウスの作出を進めている。昨年度は、CRISPR-Cas9のguide-RNA配列を複数回変更し、さらに、マイクロインジェクションとエレクトロポレーションの条件変更などもおこなったが、目的のマウスを得るには至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウスの作出が想定よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞レベルの検討については、現状の方針を継続し、KATNAL2の機能解明を進める。生体レベルの検討については、マウスの作出を継続するとともに、細胞レベルの検討から得られた成果の臨床相関度について、手術検体を用いた検証を開始する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染予防対策のため学会発表を見送ったことなどで、残余金が生じた。金額は少額のため、次年度で使用する。
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