2020 Fiscal Year Research-status Report
Role of glycocalyx in cancer
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20K07587
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
富田 弘之 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (50509510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 英志 岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (30402176)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | グリコカリックス / 大腸癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らの提唱した「cancer infrastructure」、つまり、世界に先駆けて走査型電子顕微鏡(SEM)により、ヒト大腸癌手術検体で、血管の穴(内皮細胞のスキマ)に交通するグリコカリックスの網目状の3次元超微細構造の機能的な役割を明らかにすることが第一の目的であった。そこで、本研究は、癌細胞の遺伝子を改変することでグリコカリックス自体の増減をコントロールし、生体内微小環境を含めた病理組織解析を行うことで、次の2つの問題に答えることを主題としていた。まず、癌のグリコカリックスは癌細胞自体に対してどのような役割を持つのか?グリコカリックスの増減で、癌の増殖能や分裂能はどのように変化するのか?それに伴う遺伝子発現の変化はどんな特徴があるか?について、マウス大腸癌細胞MC38や また膵臓癌細胞Pan02、悪性黒色腫細胞B16で、グリコカリックスを構成する主成分ヘパラン硫酸を伸長する根本酵素であるExt1遺伝子の発現をshort heapin RNAを用いて、ノックダウン細胞をそれぞれ作製した。その結果、いずれの細胞も野生型と比較し、1/5~1/3程度の発現レベルに安定的にノックダウンできた。それらの細胞で、ヘパラン硫酸の減少、そしてグリコカリックスの減少も確認できた。これらの細胞をC57BL6マウスの皮下に移植し、ぞの増殖を野生型細胞と比較した。いずれの腫瘍も野生型細胞と比較して、ノックダウン細胞では腫瘍の大きさは小さく、増殖の低下が見られた。その腫瘍細胞に関して、遺伝子発現の網羅的解析や、腫瘍内微小環境構成細胞(免疫細胞、血管など)の分布を免疫組織化学染色やフローサイトメトリーで検索している最中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
きちんと無理のない計画をたてたおかげで、初年度(2020年度)の目標は達成できている。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通り、2年目の計画である、腫瘍微小環境 (線維、血管、神経、リンパ管、筋組織など間質組織のある)において、癌のグリコカリックスはどのような影響を及ぼすのか?浸潤、転移はどうなるか?これらの間質細胞との相互関係はどのように変化するか?について、in vivoで、また遺伝子改変マウスも用いることで、浸潤、転移を含めた周囲微小環境の変化を明らかとすることを推進する。初年度で行った腫瘍細胞の皮下移植の結果をもとに、肝転移モデル、つまり遺伝子組換えによるグリコカリックス の欠損・減少と増加した癌細胞を脾臓に移植し、肝転移モデルを作製する。そして、腫瘍形成の数、大きさと周囲微小環境を病理組織学的に解析する。また、肺転移モデルつまり、遺伝子組換えによるグリコカリックス の欠損・減少と増加した癌細胞をマウス尾静脈に注入する肺転移モデルを作製する。そして、腫瘍形成の数、大きさと周囲微小環境を病理組織学的に解析する。そして、それぞれの癌および周囲微小環境病理組織解析として、免疫細胞の浸潤、筋線維芽細胞の増加、線維化、血管増生、リンパ管増生には特に免疫組織化学染色やフローサイトメトリーを用い、詳細に解析する。また、遺伝子発現の変化をマイクロアレイや次世代シークエンサーを用い、網羅的解析を試みる。
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Causes of Carryover |
本年度の研究が予算内に収まったため、残金がでた。
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Research Products
(2 results)