2023 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the control system of intravenous tumor thrombus formation by long-noncoding RNA in hepatocellular carcinoma
Project/Area Number |
20K07608
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
稲垣 善則 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40733390)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 肝細胞癌 / 脈管腫瘍栓 / 長鎖非コードRNA / 浸潤 / 上皮間葉転換 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度においては、引き続きヌードマウスを使用したin vivo肝転移モデルを利用して、長鎖ノンコーディングRNAの発現が癌細胞の転移に及ぼす効果を検討した。肝細胞癌患者の腫瘍栓組織で発現が上昇していた長鎖ノンコーディングRNAであるCRNDEとLINC00665を標的として、これらの発現を低下させたヒト肝癌細胞Huh-7およびHepG2をヌードマウスの脾臓に移植し、肝臓での転移巣形成への効果を検討した。その結果、転移巣形成数に変化は生じるものの、個体差が大きいことが影響して統計学的有意差は得られなかった。以上のことから、生体内での癌細胞の転移における当該長鎖ノンコーディングRNAの発現変動の効果は、in vitroでの効果と比べて弱いことが示唆された。同時に、生体内での転移性の変化を評価するためには、評価方法の異なるモデルを用いることを検討する必要があると考えられる。一方、CRNDE及びLINC00665の発現低下を誘導させた肝癌細胞では、in vitroでの細胞の浸潤性が抑圧される上に、細胞の接着に関連する因子や上皮間葉転換(EMT)に関連する因子の発現が変動することを複数種の細胞で見出した。今後の研究では、これらの因子の発現変動と長鎖ノンコーディングRNAとの関連性について解析を実施する必要がある。
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