2022 Fiscal Year Annual Research Report
RBによるコレステロール代謝制御と前立腺がんの去勢抵抗性
Project/Area Number |
20K07611
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
友杉 充宏 金沢医科大学, 医学部, 助教 (60533429)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | RB / コレステロール / 前立腺がん / SREBP-2 / 去勢抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
RBが、コレステロール合成経路のマスターレギュレーターであるSREBP-2 (sterol regulatory element-binding protein-2) 転写因子の機能を制御することがわかっている。そして全てのステロイドホルモンはコレステロールを元に生合成される。本計画は、RB機能喪失によって生じる前立腺がんの去勢抵抗性獲得機序を解明し、進行前立腺がんの新規治療方法を提案することを目指した。 前立腺がんにおけるRB欠失が、E2Fを介しアンドロゲンレセプター(AR)の発現を上昇させるという報告(Sharma A, et al., J Clin Invest, 2010)があり、RB不活性化はARの核移行も促進していることをウエスタンブロット分析や蛍光顕微鏡で確認した。またRBの機能喪失が誘導するSREBP-2活性の上昇に注目し、SREBP-2 はコレステロール合成のマスターレギュレーターであることから調査したところ、RBの機能喪失が三次元培養条件下で前立腺がん細胞のスフェア(未分化がん細胞が形成する球状の細胞塊)形成を誘導する事象を見出した。さらにはRB不活性化によるスフェア形成がコレステロール合成酵素阻害剤であるスタチンによって抑制されること、そして、RBを不活性化しなくても、培地へのコレステロール添加のみでスフェアが誘導されることを発見した。 これらのことからRBがコレステロール合成経路を介してがん幹細胞性の獲得を抑制していることを示唆する。進行前立腺がんには治療的に、早期の前立腺がんに対しては予防的に、スタチンを適用する可能性を見出した。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] IGF Axis Contributes to the Proliferation of Neural Progenitor Cells in Developing Rat Cerebrum2022
Author(s)
Sho Takata, Hiromi Sakata-Haga, Hiroki Shimada, Tsuyoshi Tsukada, Daisuke Sakai, Hiroki Shoji, Mitsuhiro Tomosugi, Yuka Nakamura, Yasuhito Ishigaki, Hideaki Iizuka, Yasuhiko Hayashi and Toshihisa Hatta
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Journal Title
International Journal of Molecular Sciences
Volume: 23
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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