2021 Fiscal Year Research-status Report
Survival mechanism of breast cancer cells in the bone microenvironment at the latent stage of bone metastasis
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20K07619
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
二口 充 山形大学, 医学部, 教授 (60275120)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 骨微小環境 / がん幹細胞 / がん微小環境 / 骨転移 / 腫瘍間質相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、潜在期の骨微小環境において、乳がん細胞が生存できるメカニズムを明らかにすることである。我々は、骨および皮下微小環境におけるがん細胞の増殖を解析できる動物モデルを独自に開発した。本研究では、骨微小環境に潜むがん細胞がどのように顕在化するか、そのメカニズムを明らかにすることが可能となり、また顕在化する前に骨微小環境に潜むがん細胞(微小骨転移)を標的とした治療法が確立でき、原発巣治療後の骨転移巣の形成を防ぐ治療法を創造することができる。 潜在期の骨微小環境においてがん細胞の生存に関与する因子は、骨微小環境由来の潜在期のサンプルでのみ発現すると考えられる。前年度の動物実験で得られたサンプルを用いて東レmicroarrayにより遺伝子発現を検索した。その結果、微小環境において、潜在期のがん細胞の生存に関与する遺伝子群として同定できた。 次に我々は微小環境におけるがん幹細胞を単離する方法を用いて、がん細胞に発現を示す遺伝子を検索することで、候補遺伝子を絞り込んだ。動物実験でそれぞれの微小環境から組織片を作成する。これらの組織片をコラゲナーゼ処理してsingle cellを作成し、培養プレート上に30分培養した後非接着細胞を回収した。3D culture (96 well) で72時間培養しspheroidを形成したがん細胞をがん幹細胞として回収した(潜/骨/3D, 顕/骨/3D)。同様に通常の方法で96well plateで72時間培養したがん細胞を対照として回収する(潜/骨/2D, 顕/骨/2D)。それぞれの細胞からRNAを抽出し、東レmicroarrayにより遺伝子発現を検索した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では、 Ex.2 潜在期の骨微小環境において特異的に発現する遺伝子群の同定(令和3年度実施):潜在期の骨微小環境においてがん細胞の生存に関与する因子は、骨微小環境由来の潜在期のサンプルでのみ発現すると考えられる。従ってEx.1で得られたサンプルを用いて東レmicroarrayにより遺伝子発現を検索する。潜/骨でのみ発現上昇/低下がある遺伝子を、微小環境において、潜在期のがん細胞の生存に関与するに遺伝子群とする。 Ex.3 潜在期の骨微小環境でのがん幹細胞に特異的な遺伝子の同定(令和3年度実施):in vivoでの組織を用いた検索では特異的な因子を絞り込めない可能性がある。そこで我々は微小環境におけるがん幹細胞を単離する方法を用いて、がん細胞に発現を示す遺伝子を検索することで、候補遺伝子を絞り込む。Ex.1と同じ方法でそれぞれの微小環境から組織片を作成する。これらの組織片をコラゲナーゼ処理してsingle cellを作成し、培養プレート上に30分培養した後非接着細胞を回収する。3D culture (96 well) で72時間培養しspheroidを形成したがん細胞をがん幹細胞として回収する(潜/骨/3D, 顕/骨/3D)。同様に通常の方法で96well plateで72時間培養したがん細胞を対照として回収する(潜/骨/2D, 顕/骨/2D)。それぞれの細胞からRNAを抽出し、東レmicroarrayにより遺伝子発現を検索する。潜/骨/3Dでのみ発現上昇/低下がある遺伝子を、潜在期の骨微小環境でのがん幹細胞に特異的な遺伝子群とする。Ex.1でおよびEx.2で共通した因子を微小環境において、潜在期のがん細胞の生存に関与する遺伝子とする。
申請時の計画した実験を行い、結果が得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
申請時の予定は以下の通り Ex.4 潜在期の骨微小環境でがん細胞の生存に関与することの検証(令和4年度実施):同定された遺伝子のsiRNAを作成し、Neon transfection system(エレクトロポレーション)で乳がん細胞に導入する。親株、Mock株、siRNA導入株(2種)を、Ex.1と同じ方法を用いて細胞株1つあたり6匹のマウスに移植する。移植後30日で屠殺剖検し、顕在化しないことを確認する。 これに加え、昨年度同定された因子のsiRNA導入あるいは過剰発現したマウス乳がん細胞を樹立する。これらの細胞を用いてin vivoにおいてsiRNA導入株あるいは過剰発現株が骨微小環境において顕在化しないことを確認する
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