2021 Fiscal Year Research-status Report
特異的抗体を用いた転移性がん細胞表面分子の同定と創薬応用
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20K07642
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
立花 太郎 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 教授 (80311752)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 転移性がん / モノクローナル抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん治療において、転移の早期発見および治療は非常に重要である。がんの転移メカズムの解明や転移マーカーの探索は古くから行われており、一定の成果をあげてきたが、転移性がんを克服できるまでには至っていない。 本研究ではがん細胞が転移能を獲得した際に細胞表面に出現する構造を同定するため、ヒト骨転移性肺がん細胞(ヒト肺がん細胞をマウスに移植し、マウス体内で骨転移した細胞株)を抗原とし、モノクローナル抗体の作製(ショットガン法)を行った。そして転移能を獲得した肺がん細胞の細胞表面を特異的に認識するモノクローナル抗体を多数樹立した。それらのモノクローナル抗体は免疫用抗原として用いた転移性肺がんだけでなく、他の転移性がんも認識し、転移性がんに共通した抗原が存在することが示された。また、樹立したモノクローナル抗体群は生きた状態のヒト骨転移性肺がん細胞表面に結合できることから、抗体医薬品シーズとしても有用であること考えられた。 次にそれらのモノクローナル抗体を使い、ヒト骨転移性肺がん細胞膜画分抽出液から免疫沈降を行ったところ、SDS-PAGEにおいて、抗体特異的に沈降するタンパク質が検出された。そこで、そのタンパク質をゲルから切り出し、質量分析したところ、抗原の候補となる膜タンパク質を同定することが出来た。また、その膜タンパク質はモノクローナル抗体を用いたウエスタンブロッティングの解析から、糖鎖修飾されており、抗体の認識に糖鎖修飾が必須であることを明らかにした。さらにその糖鎖構造を同定した。 また、樹立したモノクローナル抗体の抗体遺伝子のクローニングを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
転移性がん特異的モノクローナル抗体が認識する抗原タンパク質を同定し、さらにそのエピトープの一部となる糖鎖構造を明らかにした。さらに抗体医薬品開発に向けた抗体遺伝子のクローニングを行った。
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Strategy for Future Research Activity |
転移性がんをターゲットにした抗体医薬品シーズ開発に向け、樹立した転移性がん特異的モノクローナル抗体の組換え抗体の作製やヒト化などを進めていく。また担癌モデルマウスを用いたin vivo実験も行う。
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