2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of driver mutation-specific novel neoantigen vaccines based on cancer genome analysis
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20K07649
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Research Institution | Shizuoka Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
秋山 靖人 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (70222552)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ネオアンチゲン / 腫瘍内浸潤リンパ球 / ドライバー変異 / 次世代シークエンサー / がん免疫療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
腫瘍特異的なドライバー遺伝子変異由来ネオアンチゲンペプチドのスクリーニングに関してすでにHOPE研究に登録された4,000症例の遺伝子変異解析データより検索されたがんドライバー変異[KRAS, PIK3CA, EGFR, TP53, BRAF (ミスセンス)]配列2850個よりhot spot変異であり、10例以上の頻度で確認された57個の変異配列を抽出している。 これらの配列を対象に主にHLA-Class Iの高頻度タイピング(日本人でのトップ10)ごとにHLA結合活性予測アルゴリズム(アップデート版, NETMHC pan version EL 4.1, http://www.iedb.org/)を利用して各ペプチド配列の結合活性を解析している。新しいアルゴリズムは、MHC ligand elution assay に基づく予測であり、細胞株表面に提示された自己抗原ペプチドを質量分析機で網羅的に検出しており、予測の精度が改良されている。 総合的には、結合親和性の数値が1000 (nM)未満, ELモデル ver. 4.1の%Rankが1%以内等の絞り込み条件で現在HOPE(日本人)特異的なHLAにマッチしたネオアンチゲン候補配列として44ペプチドに絞り込んでいる。すでに人工合成した150個ペプチドについては、HLAタイピングをマッチさせたCTLアッセイやMHC安定化アッセイによる結合活性の評価を実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
静岡がんセンターで施行中のゲノム解析より得られたドライバー変異データよりネオアンチゲン候補としてIN SILICO的手法を利用したペプチドリストの絞り込み作業については、順調に進んでいる。In vitroのペプチド結合活性を評価する実験では、100個以上の合成ペプチドを用いたCTLアッセイにて数個のヒットのみ確認され、予想を下回っていたため、今後MHC安定化アッセイによる活性評価を主体に実施するように変更している。また研究2年目の間にヒト化マウスモデルを用いたネオアンチゲンワクチンの治療モデル作成を目指したin vivo実験を始められるよう行程を調整する。
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Strategy for Future Research Activity |
ネオアンチゲン候補ペプチドリストに関してin vitroでの解析は、CTLアッセイの結果が予想を下回ったことより、MHC安定化アッセイに集中して実施する。対象となるHLAのtypingは、A02:01, A11:01, A24:02等を予定しており、並行して各HLA monoalleleを発現する不死化B細胞株の作成を行っている。2年目は、ヒト化マウスを用いたネオアンチゲンワクチンの治療モデル構築に向けて研究デザインの検討を含めて準備を進めていく。将来的なネオアンリゲンワクチンの臨床試験の実施を想定した実質的な内容を検討する。
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Causes of Carryover |
2021年度は、腫瘍組織の遺伝子解析(次世代シークエンサーによる)と以前より予定しているヒト化マウスモデルを用いた動物実験を計画している。ネオアンチゲン候補ペプチドの数を考慮すると計画していた使用するマウスの数が20匹程度増加する見込みである。このため1年目の研究費を繰り越して2年目の研究費(主に動物実験)に充てる予定である。
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