2020 Fiscal Year Research-status Report
NK細胞のアジュバント効果を利用したNKT細胞療法による肺癌免疫治療の検討
Project/Area Number |
20K07652
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
高見 真理子 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (60770906)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本橋 新一郎 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (60345022)
木村 元子 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (00345018)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | NKT細胞 / 免疫療法 / NK細胞 / アジュバント効果 / 肺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、肺癌に対するNKT細胞を用いた免疫療法の有効性の向上のため、新たな併用免疫療法を確立することを目的とした。NK細胞がNKT細胞の抗腫瘍効果に対するアジュバント効果に関与するメカニズムを明らかにするために研究を進めてきた。NK細胞とNKT細胞の共培養期間を変えながら、NK細胞がNKT細胞の抗腫瘍効果に作用するタイミングを明らかにした。肺癌細胞株においても白血病細胞株K562細胞と同様にNK細胞によるアジュバント効果が見られるか、A549細胞を用いて検討した。しかしながら、NKT細胞のA549細胞に対する細胞傷害活性が非常に低くNK細胞によるアジュバント効果は観察されなかった。今後は異なる肺癌細胞株などを用いて検討を続ける予定である。また、NK細胞がNKT細胞の抗腫瘍効果を増強させる因子の特定を行う段階で、抗腫瘍効果に必要な成分を液性因子の中からカラムクロマトグラフィーを用いて分子量ごとの分画に分け、それぞれの分画をNKT細胞に添加し、細胞傷害活性の増強が得られる分画を特定した。さらに特定された分画をマススペクトロメトリーにかけ、細胞傷害活性の増強に関与する因子の特定を試みた。NK細胞から産生される因子ではないものの、培養したNKT細胞がin vitroで抗腫瘍効果を発揮するために必要な因子を新規に特定することに成功した。NK細胞側からのアジュバント効果に作用する因子が液性因子によるものかを特定するために、NK細胞の培養上清を添加しながらNKT細胞を培養したところ影響が見られなかったため、cell-cellコンタクトを必要とすることを明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画書に記載した通り、in vitroでのNK細胞によるNKT細胞の抗腫瘍効果に対するアジュバント効果に関与するメカニズム解析を行い一定の成果を上げた。NK細胞がNKT細胞の抗腫瘍効果を増強する因子を特定する過程で、NK細胞による因子ではないものの、NKT細胞の抗腫瘍効果に関与する因子の特定に成功したため、計画は概ね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度に得られた結果に基づき、in vivoの肺癌マウスモデルを用いてNKT細胞療法を再現し、新規に特定したNKT細胞の抗腫瘍効果増強因子を投与する群でより強力なNKT細胞療法の治療効果が得られるかを検討する。また、NK細胞によるNKT細胞の抗腫瘍効果増強因子の特定は引き続き進めていく。
|
Research Products
(3 results)