2020 Fiscal Year Research-status Report
多発鋸歯状病変の分子病態解明と大腸がん高リスク患者のサーベイランス体系の構築
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20K07662
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
原田 拓 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (60468030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 英一郎 札幌医科大学, 医学部, 講師 (60567915)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 大腸がん / 鋸歯状病変 |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸がん高リスク群として大腸鋸歯状病変が多発するSerrated polyposis syndrome (SPS)が知られており、SPS症例は5年間のフォローアップ期間中に約35%が大腸がんを発症すると報告されている。このことから、SPS症例に対しては1~2年ごとの内視鏡サーベイランスが推奨されている。さらにSPS診断基準を満たさないが、鋸歯状病変を有する症例 (非SPS) もまた大腸がんリスクが高いと報告されているSPS、非SPS症例の臨床病理学像について検討した。その結果、SPS症例と非SPS症例の担癌率はほぼ同等で、いずれも約20%以上と高率であった。 大腸がん細胞のエンハンサー領域では、ヒストンH3リジン27アセチル化(H3K27ac)とDNAメチル化(シトシンメチル化)が共存したbivalentな状態にあることが、エンハンサー機能の活性化に必要であることが報告されている。我々は多発鋸歯状病変症例の腫瘍組織と背景粘膜で高メチル化を示すエンハンサー領域を同定した。さらにこのエンハンサー領域は、がん遺伝子であるCCND1 (Cyclin D1)の発現に関与することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
同定した領域のメチル化解析を進めている
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Strategy for Future Research Activity |
機能的意義の解析
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Causes of Carryover |
マイクロアレイなど用いた網羅的な解析が来年度に持ち越しとなった 次年度に複数例のトランスクリプトーム解析にて使用する
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Research Products
(3 results)