2023 Fiscal Year Research-status Report
Evaluation of usefulness of romosozumab for cancer treatment-induced bone loss in breast cancer
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20K07663
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
田口 哲也 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (80243260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪口 晃一 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00405284)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 癌治療関連骨減少 / CTIBL / スクレロスチン / ロモソズマブ / 乳癌 / 補助ホルモン療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
スクレロスチンの抗体薬であるロモソズマブの癌治療関連骨減少(cancer treatment induced bone loss、CTIBL)に対する有効性を検討するにあたり、乳癌患者への投与に際して乳癌の微小転移細胞を刺激してはいけないため、その影響を乳癌細胞株利用して、乳癌サブタイプ別に増殖活性や悪性度の上昇をin vitro で確認したが、いずれも認めなかった。この結果は2022年の第30回日本乳癌学会にて発表した。 この結果を踏まえ、人への有用性を確認するために臨床試験を開始し、ホルモン受容体陽性の閉経後乳癌術後患者の登録を開始していたが、コロナ禍のため対象患者数の減少と症例登録の進捗不良があり、予定の登録症例数が増加しなかったが、参加施設を府立医大以外に1施設追加し、症例登録が進みつつある。しかし、2023年度中判頃までは依然としてリクルート可能な症例が少なく、年度末までは予定症例数の30%未満に留まった。 このため登録症例数を増やして臨床試験を完結するために研究期間のさらなる延長を決断した。 またCTIBLの効果的な治療法の開発が本臨床試験の目的であるが、その必要性について日本では乳癌のCTIBL患者の骨密度低下が証明されているが、予後、特に骨折率の増加については確認されていなかった。この点を確認するために実臨床データを利用してプロペンシティースコアマッチングを使った後ろ向き解析を実施した。しかし、結果的には骨折率の増加を有意に確認することはできなかった。本内容は論文発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の前半部分である抗スクレロスチン抗体であるロモソズマブの乳癌細胞への作用、特に増殖活性や悪性度の変化を検討するin vitro研究は終了し、増殖活性や悪性度を上昇させることの無いことが確認され、学会発表もおこなった。 この結果をもとにロモソズマブの臨床応用として乳癌患者の癌治療関連骨減少に対する有用性を確認する臨床試験をはじめたが、コロナ禍の影響が2023年度中判まで続いていて、症例登録進捗の回復が十分でなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
ロモソズマブの乳癌患者の癌治療関連骨減少に対する有用性を実証する臨床試験が予想外にコロナ禍の影響が強く、長引き、症例登録が満足に進まなかった。 そのため本年度は登録症例数の増加を狙って参加施設を4倍に増やして症例のリクルートを強化し 積極的な症例登録を進め、研究の目的達成を目指すつもりである。
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Causes of Carryover |
本研究の基礎研究部分の問題点を改めて解析し論文の再投稿をする費用が必要である。研究の後半部分の臨床研究を進め、データをまとめ、解析するための費用と論文投稿する費用が必要になった。 本研究の基礎研究部分の再投稿の論文作成費として使用する計画と、さらに臨床試験の特にデータ集積、解析、論文投稿のために使用する計画がある。
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