2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of anti-tumor drugs targeting CD81
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20K07667
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Research Institution | Shujitsu University |
Principal Investigator |
中西 徹 就実大学, 薬学部, 教授 (30243463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 祐志 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50347449)
長塚 仁 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (70237535)
山崎 勤 就実大学, 薬学部, 助教 (80596148)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | CD81 / 頭頚部がん / 乳がん / 免疫染色 / エクソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
CD81とがんの関りに関して、以前研究した骨肉腫におけるCD81の発現や、CD81遺伝子を破壊した時の特に転移能の著しい減少について、さらに様々ながん種についてこれを確認して研究を広げていき、治療や診断に結び付けていくために、今回は乳がんや比較的例数が少なくまだ世界的に研究が進んでいない頭頚部がんに着目した。乳がんでは細胞株とがん組織を用いてCD81の発現解析や免疫染色を行い、CD81の強い発現を確認した。頭頸部がんとは、頭部から頸部までの範囲(頭頸部)に発生するがん(上皮系の悪性腫瘍)のことで、具体的には、口の中、のど、鼻の中、唾液腺などに発生するがんの総称のことであり、頭蓋内のがんは含まない。比較的例数の少ない希少がんとも呼ばれるが、今回この中で、甲状腺がんと耳下腺がんに着目して研究を進めた。甲状腺がんは予後不良ながんであり、新規治療へ結びつく分子標的の探索が望まれているが、今回、未分化がん組織において免疫染色を行ったところ、甲状腺腫に比較して未分化がん組織においてCD81の発現が高いことが確認され、乳がんのケースと同様にCD81の細胞内移行が確認された。また、耳下腺がんにおいても同様にがん組織や単離した細胞においてCD81の発現が上昇している例があることが、免疫染色や定量PCR、さらにウェスタンにおいて確認された。免疫染色では同じくCD81の細胞内移行が観察された。なお、今回乳がん細胞株においては、その培養上清中にCD81陽性のエクソソームの存在が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各種がんで予想通り、CD81を高発現するがん細胞株やがん組織が確認された。CD81の発現ががんの悪性度や転移能と関連している可能性もあり、このマーカーを用いた治療や診断に向けての基礎データが得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
このマーカーががんの悪性度や転移能と関わっているかさらに研究を進める。具体的にはsiRNAによる阻害や遺伝子の破壊を行って、その効果を調べる。また、エクソソームの存在やそこに含まれるRNAマーカーについて解析し、治療や診断に向けた知見を得る。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により試薬や機材の購入に大きな遅れが生じたり購入不能になるケースがあったため。
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