2022 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍組織におけるmicroRNA阻害を可能とするペプチドリガンド搭載LNPの開発
Project/Area Number |
20K07673
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
原口 健 千葉大学, 真菌医学研究センター, 特任准教授 (10549455)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | DDS / LNP / アクティブターゲッティング / 腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
R8ペプチド修飾LNPがIn vitroにおいて複数の細胞株に対して顕著に高い核酸導入効率を示したので、別種のポリアルギニンペプチドを検討した。R6ペプチド、r6(D体アルギニン)ペプチド、環状化R8ペプチドについてそれぞれLNPに修飾し、腫瘍細胞への導入効率についてin vitro試験を行った。それぞれのペプチドについてLNPへの修飾量の検討を行い、凝集塊の形成や、腫瘍細胞への導入効率を検討したところ、ペプチドの性質により、適切な修飾量が異なることが明らかとなり、またr6ペプチドを修飾したLNPが高い腫瘍細胞への導入効率を示した。そこでr6ペプチド修飾LNPについて担癌マウスにおける体内動態を観察したところ、R8ペプチド修飾LNPと異なりr6ペプチド修飾LNPは血中滞留性が低く、腫瘍組織への集積性が顕著に低かった。そのためIn vivoへの導入に用いるにはR8ペプチドの方が適している可能性が示された。 腫瘍組織への核酸送達効率を測定するレポーターマウスの実験系の構築を行った。In vitro試験に用いたmiRNA活性を測定するLuciferaseレポーターを導入した腫瘍細胞を移植した担がんマウスを作製し、その腫瘍を切除してレポーターアッセイを行ったところ、腫瘍組織内部の細胞のmiRNA量が腫瘍内環境に応答して変動するためか、Luciferase活性のマウス個体ごとの振れが大きく安定しなかった。そこで内在miRNAの影響を受けないLuciferaseレポーターを導入した腫瘍細胞を移植した担がんマウスを作製し、その腫瘍を切除してレポーターアッセイを行った結果、マウス個体間の差が小さかった。腫瘍組織に送達する核酸としてLuciferase mRNAを標的とするsiRNAを用いる必要があるが、In vivoにおける腫瘍組織内細胞への核酸導入効率を測定する系を構築することができた。
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