2023 Fiscal Year Annual Research Report
A novel strategy by PARP inhibitors for sporadic breast cancers
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20K07686
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
桑原 一彦 近畿大学, 大学病院, 講師 (10263469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 康弘 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (20754394)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 非遺伝性散発性乳癌 / BRCA2 / PARP阻害剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は以下の項目に関して研究を行った。 a) 乳腺特異的GANP欠損による乳腺上皮にゲノム不安定性にはBRCA2発現低下が関与するかの検証:BRCA2遺伝子のクローニングをlong PCRで行い、ヒト乳がん細胞株MCF7での過剰発現を確認した。その後BRCA2-Tgマウス作製を行ったが残念ながら高いコピー数のマウスが作製できず、乳腺特異的GANP欠損マウスとの交配までには至らなかった。 b) GANPは標的分子BRCA2をどのように制御しているかの検証:ヒト乳癌細胞株を用いてHATドメイン欠失変異体の作製を試みたが、成功していない。そこでGANP 遺伝子からHATドメインを欠失させた変異体を作製し、それを過剰発現する細胞株を樹立した。コントロール細胞と変異体を過剰発現する細胞との間で遺伝子発現解析を行い、候補遺伝子Thrombomodulinを同定した。 c) 乳癌組織検体においてGANPの発現とBRCA2の発現に相関がみられるのかの検証:抗BRCA2抗体による免疫染色により非遺伝性散発性乳癌の臨床検体を用いてGANPとの発現の相関を調べた。GANPとBRCA2の発現レベルが相関すると予想したが、期待通りの結果は得られなかった。その理由として、BRCA2がGANP以外の分子で強力に制御されている可能性が考えられた。 d) GANP発現抑制細胞においてPARP阻害剤の効果の検証:細胞株を用いた解析でPARP 阻害剤の効果を検討した。sphere形成は乳癌細胞株ではみられず、BRCA2の安定化に関与するDSS1をノックダウンすることで条件検討を行い、PARP阻害剤の有効性をMTT assayで示すことができた。 全研究期間を通じて、当初の予想通りには進まなかったが、GANPの標的分子の一つとしてBRCA2は重要と考えられたが、乳癌発症自体に重要かどうかは疑問が残った。また研究計画は完遂できなかったが、PARP阻害剤をBRCA変異乳癌以外にも応用できる可能性を示すことができた。
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