2022 Fiscal Year Annual Research Report
網羅的遺伝子ノックアウト技術を用いた癌-免疫逃避相を克服する標的遺伝子の探索
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20K07695
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森本 創世子 大阪大学, 大学院医学系研究科, 寄附講座助教 (10649023)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | CRISPR-guide RNA library / Cas9 / CD27 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに、CD27発現が低下する条件下の培養にもかかわらず、CD27高発現を維持するCRISPR-guide RNA library導入Cas9陽性CD8T細胞においてノックアウトされている遺伝子X(仮名)を同定した。遺伝子X発現抑制は、CD8T細胞のCD27発現維持に加え、増殖能亢進に寄与することを明らかにした。さらに、増殖後も抗原特異的なサイトカイン産生および抗原特異的細胞傷害活性を維持することが分かった。そこで、今年度は、遺伝子X発現抑制CD8T細胞による抗腫瘍効果の評価を行なった。OVA発現腫瘍細胞株(EG7およびMO4)を皮下投与したマウスに、コントロールOT-I細胞または遺伝子X発現抑制OT-I細胞を輸注し、経時的に腫瘍サイズを計測した。その結果、期待に反し、遺伝子X発現抑制OT-I細胞輸注群でコントロールOT-I細胞輸注群よりも強い抗腫瘍効果は認められなかった。その理由として、遺伝子X発現抑制OT-I細胞のCD25(IL-2Rα)発現が低く、驚異的な増殖がIL-2依存的であることが示唆された。また、遺伝子Xはエピジェネティック制御に関わる遺伝子であるため、遺伝子X発現抑制による増殖能獲得が、T細胞の分化状態に伴う遺伝子のエピジェネティック制御と密接に関係すると想定された。そこで、増殖能に違いが生じ始めるタイミングで、コントロールCD8T細胞と遺伝子X発現抑制CD8T細胞におけるオープンクロマチン領域解析(ATAC-seq)と網羅的遺伝子発現解析(RNA-seq)を行なった。現在、これら結果から詳細な解析を行っている。
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