2021 Fiscal Year Research-status Report
AIを用いたCTテクスチャ解析による大腸癌肝転移に対する化学療法の治療効果予測
Project/Area Number |
20K07702
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
宮本 裕士 熊本大学, 病院, 講師 (80551259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日吉 幸晴 公益財団法人がん研究会, 有明病院 大腸外科, 副医長 (30573612)
徳永 竜馬 熊本大学, 病院, 非常勤診療医師 (20594881)
今村 裕 公益財団法人がん研究会, 有明病院 消化器外科, 医長 (70583045)
清住 雄希 熊本大学, 病院, 非常勤診療医師 (30827324)
中浦 猛 熊本大学, 病院, 准教授 (90437913)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 切除不能大腸癌 / 肝転移 / CTテクスチャ解析 / 機械学習 / AI / 化学療法 / 治療効果予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、大腸肝転移に対する機械学習ベースのCTテクスチャ解析の、化学療法反応予測マーカーとしての臨床的有効性を評価することである。1次治療として、2剤併用化学療法を受けたCRLM患者150例を対象とし、112例を訓練コホート、38例を検証コホートに無作為に割り付けた。治療前の門脈相CT画像から腫瘍の3D立体像を描画し、107個のラジオミクス特徴を抽出した。Random ForestとBorutaアルゴリズムを用いて、奏効群と非奏効群を予測する有意な特徴を選択した。訓練コホートで選択された特徴を用いて、5回クロスバリデーションによりラジオミクスシグネチャーを構築し、検証した。ラジオミクスシグネチャーの予測能は、曲線下面積(AUC)を用いて評価された。奏効例91例(61%)、非奏効例59例(39%)であった。3つのパラメータがBorutaによる変数選択により同定された。訓練コホートでは,各CTテクスチャパラメータのAUCは0.4~0.65であったが,すべての有効パラメータを用いた機械学習解析では0.90という有意に高いAUCを示した(p<0.01)。検証コホートにおいても、機械学習解析は高い予測精度を示し、治療効果に対するAUCは0.87であった。本研究は、機械学習を用いた大腸癌肝転移のCTテクスチャ解析が、切除不能大腸癌症例の化学療法に対する反応を予測することを示すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
KSCCのCTデータは条件(5㎜スライス)が合うものが少なく、今回の解析は自施設CT撮影の症例に限った。研究経過としてはおおむね順調に経過している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は、生存期間を予測するアルゴリズムを作成中であるが、CTテクスチャ解析のみでは全生存期間の予測能の精度は高くない結果であった。そのため、その他の臨床データならびに炎症マーカー、原発巣内リンパ球浸潤の程度を組み合わせて、生存成績予測のノモグラムの作成を試みている。これにより、分子標的別に生存成績の予測をすることが可能となり、分子標的薬選択のよいツールになると考えられる。
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Causes of Carryover |
理由:試薬、消耗品については、医局内保管のものを使用することができた。また、旅費については、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により学会開催形式がハイブリッド開催へ変更となる事が多く出張が減った為、未使用額が生じた。
使用計画:試薬、消耗品の購入費に充てたいと考える。また、最新の研究情報を得るため、及び、研究成果発表のための学会出張旅費にも充てたいと考える。
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