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2022 Fiscal Year Research-status Report

微小管切断と新たな大腸がん機構解明

Research Project

Project/Area Number 20K07707
Research InstitutionTokoha University

Principal Investigator

須藤 遙  常葉大学, 健康科学部, 准教授 (20372980)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2025-03-31
Keywords異数性 / ケトン体 / がん代謝 / 微小管切断 / 中心体 / 紡錘体 / がん抑制遺伝子
Outline of Annual Research Achievements

該当年度では、一昨年度に引き続き、計画の②に集中した実験を行った。計画ではケトン体を直接細胞に処理する方法以外に、がん抑制遺伝子による染色体不安定性防御の側面を解明することも目的である。この遺伝子は、ケトン体が微小管アセチル化を亢進させた前年度の結果に、2点で関係しうる。1つは、代謝の側面での機能があり、機能喪失した場合、ケトン体による染色体異数性誘導にどう影響するか。もう1点は、細胞骨格に結合する性質(微小管及び中心体)を持ち、より直接的な染色体不安定性制御効果を発揮する可能性がある。まず後者の機能に着眼、物理的な結合を証明しようと試みた。がん細胞株を用いてそこに遺伝子導入により、切断タンパクとがん抑制遺伝子2つを強制共発現した。当初がん抑制遺伝子は巨大タンパクのためか、バンドを検出できなかった。試薬会社からcDNA発現ベクターを購入したが、長い遺伝子は、それだけで変異の入る確率が増し、変異は、そこから末端までが欠落するような産物をしばしば生成する。転写効率に関してはCMVプロモーターを使用しており、文献的には問題なかった。タグの位置を、C端からN端に移動したものを同社に作成させたが結果は変化しなかった。ウェスタンブロットは、高分子専用の転写液を使用。標的細胞を、発現に有利とされる293細胞に変更し、再度外来遺伝子発現を試みたところ、予想サイズ半分の産物が検出された。このため外来性発現はいったん中止した。

内在性がん抑制遺伝子産物タンパクを、特異抗体を使い免疫沈降し、結合タンパクを調べる手法に変更。実績ある抗体を使用したが、沈降物に該当遺伝子産物自体が検出できず。抗体のロットのためと考えられた。しかし免疫沈降に実績あるロットは既に在庫がなく、この手法も再考が必要である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

実験方針と、それを支える試薬の間に質的齟齬を生じたのが原因かもしれない。その背景には、前年度新型コロナウイルス感染症拡大のため、社会情勢が不安定であり、実験で用いる試薬、消耗品の確保に問題が生じ、ベストのものを使用できなかったことがある。また、研究以外の業務に対してコロナ禍の変化に対応する必要で、研究へのエフォートを変更する必要もあったため。

Strategy for Future Research Activity

現在、転勤し研究環境が大きく変わり、また、以前は不可能であった試薬も入手可能となった。コロナ禍に関しても、感染症法5類に引き下げられた。この状況変化をもって、試薬の質を改善し、再びがん抑制遺伝子の機能解明に従事する方針が1つ考えられる。また、焦点を、遺伝子から疾患サブタイプにシフトし、その中でがん抑制遺伝子機能解析という方法もあるため、検討中である。

Causes of Carryover

前年度に書いたのと同様、染色体解析に必要な装置の購入に関しては、コロナ禍で、染色体解析に至るまでの基礎実験が遅れてしまい、その購入手続きも滞ってしまっている。動物実験についても必要性がある。また、研究環境が変化したため、新たに必要な機器についても考慮していく必要がある。

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Published: 2023-12-25  

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