2021 Fiscal Year Research-status Report
Identification of brain activity markers of the sense of body ownership by using multichannel EEG
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20K07714
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
大木 紫 杏林大学, 医学部, 教授 (40223755)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脳波 / 身体所有感 / 経頭蓋磁気刺激 / ニューロフィードバック / デコーディング |
Outline of Annual Research Achievements |
ラバーハンド錯覚で身体所有感を引き起こす脳部位を同定するため、介入法(反復経頭蓋磁気刺激、ニューロフィードバック)を実施する予定であった。しかし、杏林大学医学部倫理委員会の承認を受けるのに想定以上に時間がかかり、介入法を実施することができなかった。このため、ラバーハンド錯覚の性質について、詳細な検討を行った。 最初の実験では、ラバーハンド錯覚の必要条件を求めるため、視覚・触覚入力に時間遅れを導入、遅れが予想可能/不能条件の比較を行った。結果として、どちらの条件でも身体所有感を引き起こすことはできなかったが、身体所有感に関わるとされる固有感覚ドリフトは予想不能条件でのみ引き起こすことができた。この結果は、身体所有感と固有感覚ドリフトが別のメカニズムを介することを示唆している。この結果は、以下の論文として発表した。(doi: 10.3389/fpsyg.2021.771284) 二番目の実験では多チャンネル脳波計測を用い、身体所有感と固有感覚ドリフトの関係をさらに解析した。ラバーハンド錯覚中(左手)にラバーハンドの動きで引き起こされるα(μ)波とβ波のパワーの変化を解析した。独立成分分析を行うと、動きにより左右の体性感覚野/運動野と後頭葉にパワー変化が引き起こされた。右の感覚運動野では、動きによりμ波のパワーの減少が生じ、この強さは固有感覚ドリフトの大きさと相関したが、身体所有感とは相関しなかった。左の感覚運動野と後頭葉のパワー変化は、身体所有感や固有感覚ドリフトと相関しなかった。この結果は更に、身体所有感と固有感覚ドリフトが別のメカニズムを介することを示唆した。この結果は、以下の論文として発表した(doi: 10.1016/j.neuropsychologia.2021.107952)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
介入法を行うため、杏林大学医学部倫理委員会に申請を行ったが、承認を受けるのに半年以上かかった。
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Strategy for Future Research Activity |
反復経頭蓋磁気刺激とニューロフィードバックについて、本研究の内容で用いることについて倫理委員会の承認を受けた。今後は、これらの介入法を用い、身体所有感に関わる脳部位を特定していく予定である。
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Causes of Carryover |
倫理委員会の承認が遅れたため、予定していた実験が開始できなかった。承認が受けられたため、次年度は計画通り研究を行う。
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Research Products
(3 results)