2022 Fiscal Year Annual Research Report
意思決定のための情報蓄積を担う神経回路の形態と神経活動へのNMDA受容体の関与
Project/Area Number |
20K07720
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
石田 真帆 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (80362086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇賀 貴紀 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (50372933)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 知覚意思決定 / ラット / 訓練 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラットの頭部を固定した状態で知覚意思決定課題を訓練した。訓練内容は簡潔には、ラットにペダルの上下を認識させること、左右のペダルを使い分けること、音刺激の左右とペダルの左右を結び付けることを習得させるものである。最終年度には、プログラムを改良し、少なくとも7種類のプログラムを用いることで6匹に課題を習得させることができた。すなわち、初年度研究実績の概要に記載した、難易度を変動させた場合の課題において、左(右)ペダルを上げる確率が、難易度に応じて変化することを確認した。 初回訓練前に十分に給水制限を行う(訓練前体重の83-85%まで減量)ことで、頭部固定下での訓練に対するラットのストレスを緩和することが訓練の継続に有効であった。課題を習得できなかったラットには、上げるペダルが片方に偏るもの、左右ペダルを一定回数連続して交互に上げられるが、左右ランダムな音刺激には対応できないもの、訓練回数不足で習得できなかった可能性のあるものがあった。習得の可否の見極めには少なくとも1週間は同じプログラムを試すこと、また訓練は毎日行うことが有効であると思われた。課題の習得には約2か月を要した。 別に測定した、単発音に応じてペダルを上げさせた場合の反応時間は約140ミリ秒であった。一方で難易度を変動させた場合の課題において、終了音からペダル操作までの反応時間に、判断し易い試行と判断し難い試行の間で明確な差は見られなかった。 本研究ではラットを用いて、知覚意思決定課題を行わせる訓練方法を確立できた。これにより、意思決定時の脳内神経活動の電気生理学的な解析、また神経細胞でカルシウムセンサー蛋白を発現するトランスジェニックラットを用いることで画像解析に発展させることが可能になった。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Prediction-Related Frontal-Temporal Network for Omission Mismatch Activity in the Macaque Monkey.2022
Author(s)
Yuki Suda, Mariko Tada, Takeshi Matsuo, Keisuke Kawasaki, Takeshi Saigusa, Maho Ishida, Tetsuo Mitsui, Hironori Kumano, Kenji Kirihara, Takafumi Suzuki, Kenji Matsumoto, Isao Hasegawa, Kiyoto Kasai, Takanori Uka
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Journal Title
Frontiers in psychiatry
Volume: 13
Pages: 557954-557954
DOI
Peer Reviewed / Open Access