2022 Fiscal Year Annual Research Report
The impact of sharing attention on the social decision-making process
Project/Area Number |
20K07729
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
小池 耕彦 生理学研究所, システム脳科学研究領域, 助教 (30540611)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アイコンタクト / 共同注意 / fMRI / 二者同時記録fMRI / Hyperscanning fMRI / 視点取得 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者はこれまで、共同注意(JA)やみつめあいといった注意共有(視線を介して注意を他者と共有する共同作業)の神経基盤を検討してきた。これまでの研究は、 右島皮質/下前頭回がみつめあい(Koike et al., 2019)やJA(Koike et al., 2020)の基盤であることを明らかにした。しかし日常生活で注意共有が果たす役割を考えると、これまでの実験室環境では注意共有が課題におけるゴールになっている点に大きな問題がある。実社会では、同じものに注意を向けてコミュニケーションが終了することは無く、注意共有はあくまでその後に続くより複雑なコミュニケーションの起始点である。つまりこれまでの手法では、(1)みつめあいとその後に続くJAの関係,(2)注意共有がその後に続くコミュニケーションや社会的意思決定に与える影響を解明できない。2022年度は、(1)上記1を解明するためのデータ収集を継続しておこなった。さらに(2)過去に収集したデータを再解析することで、上記1を検討し、(3)さらに注意を共有するコミュニケーションが、その後の他者視点取得にどのような影響を与えるかを、二者同時記録MRI実験で検討した。その結果、(1)アイコンタクトとJAをつなぐ役割に右の全部島皮質および被殻が関わっている可能性が示唆され、(2)コミュニケーション後の視点取得には右島皮質-IFGが関係している可能性が示唆された。これらの結果は、右島皮質-IFGがみつめあいやJAに関連する可能性(Koike et al., 2020, 2021)、および右島皮質-IFGが注意共有コミュニケーションを特定のパートナーとおこなった履歴を反映した活動を示すことを示唆(Koike et al., 2016)した研究代表者の過去の研究成果と一致したものである。(1)の実験結果については、現在解析をおこなっている。
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