2021 Fiscal Year Research-status Report
Correlative light and electron microscopy (CLEM) to identify propagating synuclein aggregates in the brain
Project/Area Number |
20K07743
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
小池 正人 順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (80347210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
波田野 琢 順天堂大学, 大学院医学研究科, 准教授 (60338390)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / シヌクレイン / 凝集体 / リン酸化シヌクレイン / 伝播 / 免疫電子顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初p62-GFPノックインマウスを用いて、シヌクレインフィブリルを注入し、蛍光を指標に凝集体の動態を検討する予定であったが、GFPの蛍光が弱いため、野生型マウスを用いてリン酸化シヌクレインの動態の組織化学により検討することにした。そのうえで、注入後のより詳細な経時的変化について以下の通り検討を行った。 野生型マウスの線条体にシヌクレインフィブリルを注入し、その凝集体伝播の経時的変化を注入後2、4、8、16週で解析した。注入後2週では主に線条体内で線維状の凝集体が観察され、一部大脳新皮質にも同様の凝集体が確認できた。4週では線維状のものの他に球状の凝集体が新皮質で観察されたが、線条体では線維状のものだけであった。NeuNとの蛍光二重染色や透過型電子顕微鏡による免疫電子顕微鏡観察により、新皮質の球状の凝集体がニューロンの細胞体に局在していることを確認した。8週では新皮質内の球状の凝集体の数はさらに増加したが、線条体ではこれまでと同様、球状の凝集体は観察されなかった。16週では新皮質でも線条体でも多くの球状の凝集体が観察された。 シヌクレインフィブリルの凝集体は主に逆行性に伝播をしていくと考えられていたが、その伝播の神経細胞種特異性に関してはこれまでほとんど着目されてこなかった。しかしながら本研究の結果から、細胞種によって逆行性伝播の速度に違いがあることが示唆された。このことは、伝播の阻害・遅延手段を考えるうえで、非常に重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初p62-GFPノックインマウスを用いて、シヌクレインフィブリルを注入し、蛍光を指標に凝集体の動態を検討する予定であったが、GFPの蛍光が弱いため、野生型マウスを用いて実験をやり直す必要性が生じたため。また、さらなる経時的変化により、観察に適した時期を見出す必要があるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後黒質や扁桃体の細胞でも凝集体の観察を行い、逆行性伝播の細胞種特異性の有無を確認する。また各生存期間における凝集体の細胞内分布を透過型電子顕微鏡や集束イオンビーム走査顕微鏡で解析し、細胞内動態を追求する。
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Causes of Carryover |
動物実験施設改修に向けて、飼育動物数を減らしたため、当初想定していた飼育料より下回ったため。 施設の改修が終了後に飼育数が増える見込みでその予算に充当させる。
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