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2021 Fiscal Year Research-status Report

神経細胞の興奮・抑制を調節するBRINPタンパク質の機能の解明

Research Project

Project/Area Number 20K07748
Research InstitutionMatsuyama University

Principal Investigator

小林 三和子  松山大学, 薬学部, 准教授 (30396329)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 松岡 一郎  松山大学, 薬学部, 客員教員 (40157269)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
KeywordsBRINP / 神経伝達物質受容体 / シナプス関連タンパク質 / 大脳皮質 / 前頭前皮質 / 海馬
Outline of Annual Research Achievements

成体BRINP1-KOマウスおよびBRINP3-KOマウスの海馬・大脳皮質・前頭前皮質よりtotal-RNAを抽出し,GeneChipを用いて野生型マウスと比較して発現の変化した遺伝子を探索した。パルブアルブミン陽性およびソマトスタチン陽性の抑制性ニューロン数が減少しているBRINP1-KOマウスの前頭前皮質においては,ドミナントネガティブとして働くNMDA受容体サブユニットの3a,Gly受容体α2サブユニットの発現低下が見られ,神経回路の中で興奮性および抑制性の調節が変化していることが考えられた。
BRINP1-KOマウスの大脳皮質においては,シナプス関連タンパク質であるsynaptopodinやCaMK1の発現の増加がみられ,海馬においてはニューロテンシンの発現低下と記憶や記憶の再生に関わるIGF2の発現増加が見られた。また,軸索ガイダンスに関わるネトリンG1の発現が大脳皮質において,ニューロピリン1の発現が前頭前皮質において減少していた。
覚醒や不安に関わるニューロペプチドSの受容体1の大脳皮質における発現はBRINP1-KOマウスでは減少していたのに対し,BRINP3-KOマウスでは増加していた。
BRINP3-KOマウスにおいては,BRINP1-KOマウスと比べて神経系に関わる遺伝子の発現変化は少なかったが,前頭前皮質においてドパミンD2受容体の発現が減少し,大脳皮質においてセロトニン受容体2cの発現が増加していた。また,グルタミン酸受容体遺伝子のノンコーディングエクソン由来のマイクロRNAであるMir592は,自閉症スペクトラムとの関与が示唆されているが,BRINP3-KOマウスの大脳皮質で発現が増加していた。
これらの神経伝達物質やシナプス機能に関わる遺伝子の発現変化が,BRINP-KOの示す行動異常をもたらす可能性が考えられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

1)マウスの繁殖の遅れ KOマウスを得るためのヘテロマウス同士の交配を繰り返しているが,母マウスが子育てを放棄したり仔マウスを食してしまうことが多く,実験に十分なKOマウスを得ることが困難な状態が続いている。
2)教育・研究以外の業務が多い 入試関連,広報関係の委員会業務,共用試験の準備など薬学部教員に課せられた仕事が多く,研究に専念できる時間を捻出することが難しい。

Strategy for Future Research Activity

BRINP-KOマウスにおける遺伝子発現プロファイルの解析
GeneChip解析により発現変化の見られた興味深い遺伝子について,プライマーをデザインし,RT-PCRによりmRNA発現変化を確認する。また,遺伝子変化を起こした細胞種を特定するために脳切片を作製し免疫染色もしくはin situハイブリダイゼーションを行う。
BRINPタンパク質による小胞輸送の調節
蛍光タグをつけて細胞内にRab3,Rab11およびBRINPタンパク質を発現させて,RabとBRINPとの相互作用が小胞輸送に影響するかどうかを調べる。オルガネラマーカーを用いRabの細胞内局在やエンドサイトーシス,エクソサイトーシスに与える影響について検討する。

Causes of Carryover

GeneChip解析は年度初めより計画していたが,RNAサンプルを用意しても,サンプルが壊れてしまう,純度に満たないものは解析できないことがあるため,予算があっても最大限の解析を行うことができなかった。また委託先の企業でキャンペーンを行っていると割引も発生するため想定より安く済み,次年度に有効活用することを考えた。

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Published: 2022-12-28  

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