2020 Fiscal Year Research-status Report
腸管神経新生におけるLRRK2の役割と変異によるパーキンソン病病態形成機序の解明
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20K07764
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
前川 達則 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (30647673)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / 腸管神経 / LRRK2 |
Outline of Annual Research Achievements |
パーキンソン病(PD) は中脳黒質ドーパミン神経細胞の脱落を特徴とする神経変性疾患であり、その発症メカニズムは未だ解明されていない。本研究ではPD原因分子であるleucine-rich repeat kinase 2 (LRRK2) の腸管神経系における役割とその異常による腸管神経病態の形成機序を明らかにすることを目的としている。 ①腸管神経系でのLRRK2発現細胞を特定するために、LRRK2プロモーター制御下に蛍光タンパク質EGFPを発現するマウスを作製した (LRRK2レポーターマウス)。レポーターマウスにおけるEGFPのシグナルを大腸筋層間神経叢のホールマウント染色にて確認した結果、腸管神経細胞とグリア様細胞にLRRK2が発現していることを明らかにした。また、発現細胞の特徴について詳細は解明できていないものの、発現細胞の約3割が神経細胞、5割がグリア様細胞であることを明らかにした。 ②ENS初代培養細胞を用いた解析では、セロトニン受容体の一つである5-HT4受容体へのLRRK2の関与が明らかになった。LRRK2欠損マウスにみられるグリア細胞様の特徴を有した神経細胞 (bi-phenotypic neuron) の増加は、5-HT4受容体を介した細胞内シグナル伝達経路において、LRRK2が欠損していることによるシグナル異常である可能性が示唆された。 ③初代培養細胞を用いた実験結果がマウス生体内においても観察されるか否かを解析した結果、マウスに5-HT4受容体アゴニストを投与することでbi-phenotypic neuron が増加することを確認した。さらに、LRRK2欠損マウスにおいては5-HT4受容体アゴニストの作用が確認できないことから、5-HT4受容体下流におけるLRRK2の存在がbi-phenotypic neuronの増加に必要であることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度の研究活動は、新型コロナ感染対策により多少の遅れが生じたものの、おおむね当初の研究計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
ここまでの研究活動により、当初の予定通りの成果が上げられている。 次年度についても計画調書の通り、LRRK2欠損マウスの個体での解析と変異型マウスの解析を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度に使用予定であった試薬の輸入が遅れたため、次年度に一部助成金を使用する。
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