2021 Fiscal Year Research-status Report
アセチルコリン受容体部位特異的自己抗体産生による重症筋無力症モデルマウスの作成
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20K07766
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
紺野 晋吾 東邦大学, 医学部, 講師 (50459765)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 実験的重症筋無力症モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度はマウスを免疫するペプチドとしてCKGGLR-WNPDDYGGVK(Ac)-KC 修飾:K16側鎖アセチル化, Cys1-Cys18間ジスルフィド結合させたものを用いたが、令和3年度は使用するペプチドを以下に変更した。nicotic cholinergic receptor alpha 1 (AChRα1) subunitのMIR部位に相当するa62-77部のアミノ酸配列KKC-a62-77-C(KKCーDYNLKWNPDDYGGVKKーC)のa76:LysをHisに置換した環状ペプチドを作成した。これをC57BL/6マウスにマウスComplete Freund's adjuvantとともに2週間毎に4回免疫した。初回抗原は100μg、2回目以降は50μg用いた。免疫前と最終免疫後に血液を採取した。4回免疫後に腓腹筋を採取した。環状ペプチドに対するELISAにて免疫語にペプチドに対しる抗体が発現していることを確認できた。免疫後の腓腹筋におけるAChRα1 subunit含有量はコントロール群に比して免疫群ではAChRα1 subunitの減少していることがELISAで確認された(p<0.03)、その減少率は約20%程度であった。腓腹筋中AChRα1 subunitのmRNA発現は免疫群でやや増加したがコントロール群に対し有意な上昇ではなかった。免疫組織学的検討ではalpha bungarotoxinをもちいて神経筋接合部を特定し、補体 component C3の存在を蛍光多重染色にて検討したが、腓腹筋AChRへの補体 component C3の沈着はわずかであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウスの重症筋無力症様症状の発症が弱い。令和3年度は免疫に用いるペプチドを令和2年度用したものから変更した。Complete Freund's adjuvantとともにペプチドを免疫しているが、マウス毎のペプチドに対する抗体産生量が少ないことや、ばらつきがみられAChRα1 subunitは減少するものの、症状の発症に至っていない可能性が考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きマウスに重症筋無力症を発症させるよう実験を進める。免疫賦活目的で使用するアジュバントとしてはComplete Freund's adjuvantよりも抗体産生誘導が強いとされているTiter Max Goldを用いる。このアジュバンとは新規合成コポリマーであるCRL-8300を免疫モジュレーターとして用い高い免疫原性を発揮する。またデリバリーシステムとしてsqualeneを用いておりTh2細胞反応を誘導しB細胞を活性化できる。免疫後の抗原特異的抗体産生量として環状ペプチドに対する抗体量測定をおこない、同時にAChRα1に対する親和性を検討するためにAChRα1 subunit recombinant proteinを用いたELISAで評価する予定である。
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Causes of Carryover |
モデル動物の作成におよそ3ヶ月間の時間を要するため、年間を通しての複数回の実験を行う回数が限られていた。有望なモデル動物が作成できた場合には、再現性の確認や各種測定のために同時に複数のモデル動物を作成する系列を用いて実験を行うために使用する。またコロナ禍においても感染予防を徹底した様式での学会参加が可能となってきており学会での参加と発表を行うために使用する。
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