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2020 Fiscal Year Research-status Report

Role of adenosine for analgesia induced by intramuscular injection of drugs

Research Project

Project/Area Number 20K07767
Research InstitutionChubu University

Principal Investigator

那須 輝顕  中部大学, 生命健康科学部, 助手 (30584180)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywordsリドカイン / ノイロトロピン / パネキシン1 / アデノシン受容体 / 線維筋痛症 / 繰り返し寒冷ストレス / 慢性筋痛 / 筋肉注射
Outline of Annual Research Achievements

運動器疼痛の治療の一つである薬物筋注による正確なメカニズムは未解明であり、実験的な証拠も無い。更に考えられている鎮痛機構からは考えにくい想定外の作用も観察されている。そこで申請者は、薬物筋注による鎮痛は、TRPV1活性化を介した求心性入力による内因性鎮痛系活性化による事を明らかにし、麻酔薬の筋注による鎮痛が単なる末梢入力の伝導ブロックでは説明できないことを明らかにしている。本研究課題では薬物筋注による鎮痛に筋からのATP放出やアデノシンの関与とリドカインとノイロトロピンによる薬物筋注による鎮痛のメカニズムの違いと共通したメカニズムの解明に取り組む事を目的とした。
リドカインやノイロトロピンの筋注による鎮痛に、ATP放出に関わるpannexin1(Pan 1)と細胞外でATP分解により生じるアデノシンの受容体(AR) が関与するかどうかを難治性疼痛疾患の線維筋痛症のモデル動物である繰り返し寒冷ストレス(RCS)を暴露したラットを用いて、筋圧痛閾値を指標にして検討した。
Pan1阻害剤を先行投与で右側腓腹筋へのリドカイン筋注による回復が有意に抑制された。またAR非選択拮抗薬、A1受容体選択的拮抗薬先行投与で右側腓腹筋へのリドカイン筋注による回復が有意に抑制された。またノイロトロピン筋注による回復はAR非選択拮抗薬、A1受容体選択的拮抗薬先行投与で有意に抑制されたが、Pan1阻害剤先行投与はその鎮痛を抑制しなかった。
本実験結果から、ATP放出チャネルPannexin1とアデノシン受容体がリドカイン筋注による鎮痛に関与する事が明らかになった。更にノイロトロピン筋注による鎮痛はリドカイン筋注による鎮痛と異なるメカニズムであることが示唆された。
上記の結果から、パネキシン1、アデノシン受容体が薬物筋注による鎮痛に関与する事が明らかになった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2020年度の研究計画は1)RCSによる薬物筋注による骨格筋内アデノシン濃度への影響、リドカイン筋注による骨格筋内アデノシン濃度への影響と2)アデノシンが鎮痛に関わるかをアデノシン非選択的アンタゴニスト(カフェイン)とA1受容体アンタゴニスト(ロロフィリン)でリドカイン筋注が抑制されるかを行動薬理学的に明らかにする予定であった。
前者のアデノシン濃度の解析は、測定キットの検出感度の問題で、解析に至っていない。また測定系を再検討する必要に迫られ、再検討中であるが、新型コロナウィルス感染症拡大の影響で実験時間の制約がつき当初の予定よりも遅れている。一方、行動薬理学的解析は計画のリドカインだけでなく2021年度実施予定であったノイロトロピンの筋注による鎮痛メカニズムの解析まで行うことができた。
以上の事から、研究の進捗状況を「やや遅れている」と自己評価をした。

Strategy for Future Research Activity

行動薬理学的解析からノイロトロピン及びリドカイン筋注に筋からのATP放出及び末梢神経のアデノシン受容体が関与している事が示唆された。
今後は1)末梢神経の痛みに関わる受容体分子の発現及び分布の変化の解析と2)薬物筋注によるATP放出機構の解析を行う予定である。なお2)については、アデノシンの測定系の検討を行いつつ、摘出筋標本を用いて薬物筋注でATPが放出されるかどうかを行っていく予定である。

Causes of Carryover

2020年度は新型コロナウィルス感染症の流行により、参加予定であった学会がオンライン開催になったため旅費がかからなかったことや、研究の進捗状況がやや遅れたためATP測定の測定系システムのセットアップが完了していないために残額が生じた。次年度はこのセットアップ確立に必要な機器を購入するのにこの残額も充てる予定である。

  • Research Products

    (5 results)

All 2021 2020

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (4 results)

  • [Journal Article] Synergistic interaction of nerve growth factor and glial cell-line derived neurotrophic factor in muscular mechanical hyperalgesia in rats2021

    • Author(s)
      Shiori Murase, Kimiko Kobayashi, Teruaki Nasu, Chiaki Kihara, Toru Taguchi, and Kazue Mizumura.
    • Journal Title

      The Journal of Physiology

      Volume: 599 Pages: 1783-1798

    • DOI

      10.1113/JP280683.

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Bafilomycin A1, proton pump inhibitor, suppresses the repeated cold stress-induced mechanical sensitization in rat thin fiber muscle afferents2021

    • Author(s)
      堀 天,堀田 典生,那須 輝顕,片野坂 公明,水村 和枝
    • Organizer
      第99回日本生理学会
  • [Presentation] 遅発性筋痛の発症メカニズムにおける神経成長因子 (NGF) とグリア細胞由来神経栄養因子 (GDNF) の相乗作用の解剖学的基盤.2020

    • Author(s)
      水村和枝, 小林希実子, 村瀬詩織, 那須輝顕
    • Organizer
      第13回日本運動器疼痛学会
  • [Presentation] Noxious Stimulus Induced Analgesia (NSIA) における末梢A1受容体の関与2020

    • Author(s)
      那須輝顕, 日比野雄平, 水村和枝
    • Organizer
      第13回日本運動器疼痛学会
  • [Presentation] リドカイン筋注による鎮痛の末梢アデノシン受容体の関与2020

    • Author(s)
      那須輝顕, 日比野雄平, 片野坂公明, 水村和枝
    • Organizer
      第42回日本疼痛学会

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Published: 2021-12-27  

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