2020 Fiscal Year Research-status Report
Modulation of pain perception by energy metabolism
Project/Area Number |
20K07770
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
戴 毅 兵庫医療大学, 薬学部, 教授 (20330441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 浩里 兵庫医療大学, 薬学部, 助教 (80842088)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Nedd4-2 / TRPA1 / 肥満症 / 疼痛過敏 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)疼痛過敏に伴う代謝異常病態モデル動物の確立。まず、leptin 受容体欠損db/db肥満マウスと、食事性肥満・高血糖マウス(C57BL/6J DIO (Diet Induced Obesity)JAX174 Mice)の2種類の肥満/糖尿病マウスモデルの確立を取り組んだ。モデルマウスを若年から購入し、飼育しながら、その成長と体重の増加に伴う血糖値変化、疼痛行動との関連、疼痛過敏・感覚障害の発症の時期を確認した。疼痛行動はplantar test, acetone test, Von Frey test法で評価した。その結果、モデル動物の体重増加とともに、血糖値の上昇、そして疼痛過敏の発症が確認でき、モデル動物の確立が成功した。 2)モデル動物におけるエネルギー代謝関連遺伝子と疼痛受容関連受容体の評価。上記2種類のモデル動物について、AMPKやNedd4-2の遺伝子およびタンパクの発現変化と、TRPA1受容体タンパクの発現変化を検討した。その結果、正常動物に比べてリン酸化AMPKとNedd4-2の発現減少が確認され、これを起因とするTRPA1受容体の膜発現の増加が確認できた。 3)Nedd4-2下流シグナルによる肥満性動物の疼痛行動への影響。Nedd4-2のアクティベータおよびインヒビターを投与し、疼痛過敏を発症したモデルマウスへの影響を検討した。その結果、Nedd4-2の疼痛過敏への関与が確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、コロナ禍の影響で予定した研究の一部を実施できなかったため、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2000年度後半からコロナ禍での研究環境が整えたため、今後は遅れを取り戻し、当初の計画とおり研究を進めていく予定である。 次年度の具体的取組は下記のように考えている。 まず、モデル動物におけるAMPK、Nedd4-2とTRPA1の発現変化とその相関を解析し終える。モデル動物は肥満症を発症するラットやマウスを用いて、神経障害性疼痛や内臓痛(狭心痛や内臓痛など)を発症するモデルを構築する。 つぎに、AMPKおよびNedd4-2と疼痛関連受容体との機能的連関および細胞内分子機構の解析を行う。モデル動物のDRGの急性単離細胞を用い、各種疼痛関連受容体の刺激薬を投与することで増加する細胞内Ca2+の変化をFura-2 Ca2+imaging法で測定する予定である。 また、Ex-vivoで後根付きDRGと後根付き脊髄スライス標本において、各チャネル型受容体を介した内向き電流(チャネル活性変化)をホールセルパッチクランプ法で観察する。同時に、AMPK下流シグナルのactivatorやinhibitorを用いてその機能変化を解析し、AMPKによる各疼痛関連タンパクの調節機構を検討する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で、当初予定した研究の一部を実施できなかったため、次年度使用額が生じた。 次年度にて研究の遅れを取り戻されるため、これらの助成金を当初の使途とおり使用する。
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Research Products
(5 results)