2022 Fiscal Year Research-status Report
グルタミン酸作動性・GABA作動性入力による視床下核ニューロンの活動調節様式
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20K07772
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
畑中 伸彦 生理学研究所, システム脳科学研究領域, 助教 (80296053)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | マカクサル / 大脳皮質 / 大脳基底核 / 運動情報の流れ / 視床下核 / 淡蒼球内節 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度はサルの延付き上肢運動課題を遂行中のサル視床下核にガラス被覆エルジロイ電極を刺入し、電気生理学的に同定された一次運動野と補足運動野の上肢再現部に慢性的に埋入されたステンレス製慢性刺激電極への電気刺激に応答するニューロンを記録した。1頭目の記録が進み、2頭目の訓練と頭部固定のためのチューブを頭蓋骨上に設置する手術を行った。1頭目の結果では、これまでStop課題によく応答する部位として知られている、視床下核腹側部だけでなく、運動野から直接投射を受ける背側部でもStop課題に応じた活動が認められた。2023年度は2頭目の記録を増やす予定である。 与えた運動課題は、運動課題は正面にLEDライトとタッチセンサーを3つ設置したパネルを置き、サルが手をホームキー上に1500msec置くと課題が開始される。手がかり刺激(赤色;S1)が3つのLEDのうち1つが点灯することによって到達運動するターゲットが提示され、ランダムに置かれた延期間ののち、3つのGo刺激(青色;S2)が 提示され、サルが覚えていたターゲットに到達運動を行い、正しいLEDに振れると報酬としてジュースを得る。また、一次運動野と高次運動野の活動の差を比較するため、Stop課題を与えた。Stop課題でも手がかり刺激(S1)は3つのうちの1つのLEDが赤色で提示され、おなじ延期間が置かれる。その後、3つのLED全てにStop刺激(赤色)が提示され、サルは準備していた運動をやめて、ホームキー上に手をキープし続けると、成功となり報酬を得られる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験計画通りに、課題を習得したサルからデータを収集している。1頭目のデータが蓄積され、当初の予想通りに、大脳皮質ー大脳基底核ー視床ー大脳皮質ループの中で、これまで知られていた高次脳機能のループ内に存在するような、Stop課題に関連した活動を示す、運動野から入力を受ける視床下核ニューロンが見つかった。今後は2頭目のデータを収集する。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通りに進行中であり、2023年度は2頭目のデータを収集する。
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Research Products
(1 results)