2022 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス感染から解き明かす神経障害性疼痛増悪・持続機構
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20K07774
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
大岡 静衣 公益財団法人東京都医学総合研究所, 精神行動医学研究分野, 主席研究員 (80313097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西澤 大輔 公益財団法人東京都医学総合研究所, 精神行動医学研究分野, 主席研究員 (80450584)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | HS3ST4 / 慢性疼痛 / 帯状疱疹後神経痛 / 転写開始部位 |
Outline of Annual Research Achievements |
Heparan Sulfate-Glucosamine 3-O-Sulfotransferase 4(HS3ST4)遺伝子の一塩基多型(SNP)と帯状疱疹後神経痛・帯状疱疹罹患・慢性痛が有意に関連し、全長HS3ST4により細胞融合が促進される結果の一部について論文化した。HS3ST4遺伝子の当該SNP遺伝子型と、HS3ST4 蛋白質・水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)潜伏感染量との関連解析のための、ヒト組織での関連解析の予備検討を行い、ヒト後根神経節組織から HS3ST4 遺伝子の当該 SNP 遺伝子型と野生型 VZV ゲノム検出系を確立した。ヒト三叉神経節等での関連本解析のためのヒト献体の収集が完了した。HS3ST4遺伝子イントロン領域にある当該SNP近辺に機能因子が存在するか公開データベース検索したところ、ヒト神経培養細胞株で当該SNP下流に新規転写開始部位が存在することが明らかとなった。実際に、同細胞株で予想される新規mRNAが実際に存在することをRapid amplification of cDNA ends(RACE)等により確認した。この新規 mRNA からは、酵素活性部位を欠損した部分欠失 HS3ST4 蛋白質が発現すると考えられる。ヒト神経培養細胞株でウエスタンブロッティングにより、全長 HS3ST4 に加え、部分欠失 HS3ST4 蛋白質の予想分子量に近いバンドを検出した。当該 SNP が新規転写産物の産生制御等を通して部分欠失HS3ST4蛋白質産生に寄与することで、帯状疱疹後神経痛・慢性痛等に関与する可能性が考えられる。新規転写産物に由来する RNA や蛋白質が、何らかの形で HS3ST4 発現に影響を及ぼしている可能性も考えられる。
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Research Products
(9 results)