2020 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of brain aging and cardiac functions in healthy and disease populations
Project/Area Number |
20K07776
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 秀明 東北大学, 大学病院, 助教 (20705462)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 心脳連関 / 心不全 / バイオバンク / 慢性血栓塞栓性肺高血圧症 / MRI / SPECT / 認知機能 / 脳科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、研究1.ナショナルデータベースを用いた心疾患が脳の老化に及ぼす影響の研究について、心不全患者における海馬血流量と左室リモデリングの関連に関し、第一著者論文として報告した(Suzuki H, Matsumoto Y, et al. Impacts of hippocampal blood flow on changes in left ventricular wall thickness in patients with chronic heart failure. Int J Cardiol 2020;310:103-107)。 次に、研究2.心疾患に対する治療的な介入による脳の老化の可逆性の研究について、既に各10数例のCTEPH治療前・後の症例を登録し、フォローアップを行っている。最後に、研究3.心疾患の無い中高齢者における心機能が脳の老化に及ぼす影響の研究について、UKバイオバンクの脳・心臓MRIデータベースの解析を行い、心機能が認知機能と関連すること、脳の老化指標の遺伝解析結果について、それぞれ第二著者論文として報告した(Bai W, Suzuki H, et al. A population-based phenome-wide association study of cardiac and aortic structure and function. Nat Med 2020;26:1654-1662. Sargurupremraj M, Suzuki H, et al. Cerebral small vessel disease genomics: implications across the lifespan. Nat Commun 2020;11:6285)。 以上、2020年度における発表論文として、上記3本を含む計7本の論文が採択された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まず、研究1.ナショナルデータベースを用いた心疾患が脳の老化に及ぼす影響の研究に関する進捗状況については、関連論文を発表出来ているものの、40,000例のUKバイオバンクデータベースが保管されている英国Imperial College LondonがCOVID流行に伴うロックダウンにより閉鎖されているため、現在データにアクセスすることが出来ず、(3) やや遅れている、と考えている。 次に、研究2.心疾患に対する治療的な介入による脳の老化の可逆性の研究に関する進捗状況については、症例登録・フォローアップは順調に進んでおり、(2) おおむね順調に進展している、と考えている。 最後、研究3.心疾患の無い中高齢者における心機能が脳の老化に及ぼす影響の研究に関する進捗状況については、本課題の仮説である「心疾患の無い中高齢者においても、心機能低下が脳の老化と関連している」ことについて、既に原著論文で報告することが出来ており(Bai W, Suzuki H, et al. A population-based phenome-wide association study of cardiac and aortic structure and function. Nat Med 2020;26:1654-1662)、(1) 当初の計画以上に進展している、と考えている。 以上から、現在までの全体の研究進捗状況として、(2) おおむね順調に進展している、と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、研究1.ナショナルデータベースを用いた心疾患が脳の老化に及ぼす影響の研究に関する進捗状況については、Imperial College Londonの共同研究者とも連絡を取り合い、今後ロックダウンが解除され、データにアクセスが出来るようになり次第、解析を開始する。 研究2.心疾患に対する治療的な介入による脳の老化の可逆性の研究に関する進捗状況については、引き続き症例登録・フォローアップを進めていく。 研究3.については、既に仮説を証明する論文報告を行なったが、それをサポートする解析結果についても学会発表・論文化を進めていく。
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Causes of Carryover |
物品購入にあたり、支出を予定より抑えることが出来たため、繰越金が発生した。学会発表・論文化という目的を達成するため、次年度に繰越金と併せて執行する予定である。
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Research Products
(13 results)