2021 Fiscal Year Research-status Report
アドバンス・ケア・プランニング・eポートフォリオシステムの開発
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20K07781
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
平川 仁尚 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (00378168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 秀明 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (00323147)
赤川 祐子 (阿部祐子) 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (10770117)
江 啓発 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (20713887)
村谷 つかさ 九州大学, 芸術工学研究院, 助教 (30834428)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 終末期ケア / ケアマネジャー / 質的研究 / 教育プログラム / インタビュー / アドバンス・ケア・プランニング / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度前半に、非がん高齢者を対象としたインタビューを効果的、効率的に行うためのACP関連トピックガイドとそれを活用してACPインタビューを30分以内で効率よく行えるようになるための「高齢者のその人らしさを支援するためのACP支援力向上セミナー:インタビューからポートフォリオ制作まで」のシステムを完成させた。令和3年度後半から12月頃にかけて、パイロットとして名古屋市およびその近郊の高齢者約20名を対象に研究代表者ら研究チームがオンラインでACPインタビューを実施した。全てのインタビューは約30-40分であった。インタビュー内容は、必要に応じてKH Coderを用いて、質的に分析を行った。ポートフォリオのデザインも確定した。対象者一人ひとりに対して、ポートフォリオを郵送し、感想をもらった。令和4年1月から現在まで、秋田市、仙台市、東京、名古屋、京都などから合計19名(3月末現在)の医師、看護師、薬剤師、ケアマネジャー、介護士など多職種をリクルートし、上記ポートフォリオシステムの内容と、普及に向けた研修プログラムの内容を検証するためにセミナーを実施した。セミナーでは、聞き手と答え手に別れ本研究で開発したインタビューガイドを用いてインタビューを行う演習と、高齢者のインタビューデータ(サンプル)を用いてポートフォリオを作成する演習の二つを主な内容として行った。参加者からは、介護、医療それぞれの現場で活用してみたいという意見、多職種連携や当事者・家族とのコミュニケーションに役立つという意見、「高齢者が持つ価値観を知る」ということの本当に意味に気づくことができるなどといった意見が得られた。一方で、現場によっては最初に導入する場面設定が難しい点や、患者の病状の段階によっては使用が難しい点も指摘されたため、実装しながら問題点を明らかにし、各現場に合う形にカスタマイズしていくことが今後の課題と言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一堂に会して検討を行うワークショップを開催できない状況が続いたが、オンラインを活用し、「高齢者のその人らしさを支援するためのACP支援力向上セミナー:インタビューからポートフォリオ制作まで(仮称)」のプログラムをオンラインで実施することができたため。また、それにより、高齢者へのインタビューなども予想外に効率的に進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
1当初の研究計画通り、概ね順調に来ていると評価している。引き続き、全国的に上記のACP支援力向上セミナーを実施する予定である。そのセミナーを通じて、医療機関・居宅介護支援事業所の医師・看護師、介護・福祉関係者を対象に、ACP eポートフォリオシステムを体験してもらう。ACP eポートフォリオシステムは、Web上で、ACP支援力向上セミナーを体験でき、ACPインタビューデータをアップロードすることで、ポートフォリオをダウンロードできる仕組みである。対象者数は、50名を目標とする。(研究代表者、研究分担者全員)。ACP eポートフォリオシステムの活用の前後で、対象施設全体において、ACPの話し合い実施率、文書化率、ACPの内容の質の変化について質的・量的に検証する。令和5年1月から研究期間終了(令和5年3月)までの間に、研究結果のまとめを行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、一堂に会して検討を行うワークショップを開催できず、旅費の支出がなくなったため。次年度は、研究代表者と研究分担者全員で行うACP eポートフォリオシステムの構築に使用する予定である。
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