2021 Fiscal Year Research-status Report
高齢者における活動性低下を予測する液性因子の探索と機能解析
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20K07789
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
浦野 友彦 国際医療福祉大学, 医学部, 主任教授 (20334386)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | フレイル / 老年医学 / サルコペニア / 通所リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らがデータベースを構築したコホート集団を用い、高齢者の活動性低下に関連する因子を探索した。その結果、地域在住閉経後女性集団において終末糖化産物の血中濃度が心血管イベントと関連することを明らかにした(Urano et al. Geriatr Gerontol Int. 21: 651-656, 2021)。また、同集団においてMTHFR遺伝子におけるアミノ酸変異を伴う遺伝子多型が高齢者の腰痛、ADL低下の大きな原因となる変形性腰椎症の進行に関連することを見出した(Nakano, Urano et al. J Clin Endocrinol Metab, 106, 3428-3438, 2021)。また、通所リハビリテーション利用者の握力と歩行速度のデータに関する測定精度の妥当性を検討するため本データの最小可検変化量や信頼性を報告した(Sawaya, Urano et al. Geriatric Nursing 42 1184-1189, 2021)。さらに我々はCOVID-19感染症による社会活動制限が高齢者のフレイルに与える影響を横断的に明らかにした。この解析によるとコロナ禍に通所リハビリテーション利用の中止した者は,運動量が減少し,疲労感が強いことが示されており、高齢者の活動生低下の予防において、通所リハビリテーションの重要性を明らかにした(Hirose, Urano et al. PeerJ 9: e11160, 2021)。最後にメタ解析の手法によりフルーツや野菜の摂取がフレイルの進行に抑制的な役割を果たしている可能性を見出し報告した(Kojima, Urano et al. J Frailty Aging. 11: 45-50, 2022.)。このように2021年度は様々なコホート集団のデータを活用して高齢者の活動性低下に関連する因子を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請者らが構築したコホート集団を用い、高齢者の活動性低下、フレイル、サルコペニアに関連する因子を探索している。また興味深い症例に関しては症例報告も行った。2021年度は11報の論文発表を行なっており、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに構築した2ヶ所の地域在住高齢者コホート集団、海外コホート集団、さらには通所リハビリテーション利用者といった様々な集団を用いて高齢者の活動性低下、フレイル、さらにはサルコペニアや骨粗鬆症といった高齢者の活動性低下に影響を及ぼす疾患に関連する因子を探索する。これらコホートデータを元に活動性低下を予測するバイオマーカーを探索、同定する。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染症の影響で学会のための出張が取りやめになり旅費が0円となったため、未使用金が生じた。翌年度分として請求した交付金と合わせ2022年度の使用目的に加えて、コホート研究成果を論文化するための論文校正費に使用する計画とした。
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Research Products
(18 results)