2020 Fiscal Year Research-status Report
2型糖尿病患者の心血管イベント防止を目指した新規コントロール基準の作成
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20K07794
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
坂本 昌也 国際医療福祉大学, 国際医療福祉大学三田病院, 教授 (40419742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 正子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (50373395)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | HbA1c値変動 / 2型糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
2型糖尿病患者は世界で4億人を超え心血管死も増加の一途を辿り、リスク管理は急務である。 2020年時点においては、過去1~2か月前の期間の平均血糖値の指標である HbA1c値を指標として診療が全世界的になされているが、HbA1cのみを用いた診療では心血管疾患の発症予防は困難であり、残存リスクに“HbA1c値変動”が想定されている。しかし、HbA1c値の毎月測定は医療費の面からも難しく、その変動は数値化出来ず臨床応用されていない。申請者は10万余症例の診療データから月別HbA1c値推移を検証しその変数に概年リズムがある事を明らかにした(Sakamoto M et al. Diabetes Care. 2019. [IF 15.3])。 さらに、“HbA1c値変動”と糖尿病合併症の進展に関連性も見出した(論文投稿中)。これより“HbA1c値変動”の予測モデル構築が2型糖尿病患者の心血管死のリスク管理に繋がるという独自の着想に至り、薬物治療定常状態における概年リズムを加味した母集団薬力学モデルの開発に着手した。結果、既知の事実から予想される事と矛盾しない推定結果を得る事に世界で初めて成功し、2型糖尿病患者の新たなリスク管理法の糸口を掴んだ(共同研究者:西川先生学会発表バルセロナ)。 本研究では同モデルを洗練しつつ、予測精度向上と“HbA1c値変動”の定義の提案を図り、変動のリスクを具体的に数値化し、リスクマーカーとして臨床応用する事を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度においては、研究者の所属先の変更があった。コロナ禍においては対面のmeetingの実施が難しかった。 さらに研究実施者との連絡や、研究会・学会参加なども難しくなり、進行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者・協力者においてはコロナ感染症治療に従事していたこともあり、感染のリスクを考えて研究者同士での対面meetingが難しく、研究の詳細を詰める作業を進める事が難しかった。この点が研究を進める上で最大の律速段階であったため、今後は新たにオンラインmeetingの実施並びに、徐々に感染リスクを軽減しながら、研究者同士での対面meetingを進める。さらに、対面でなくとも進むように、データ管理やアクセスの自由度を高めるなどの機器整備を進めて研究の推進を図りたい。
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Causes of Carryover |
初年度においては、研究者の所属先の変更があった。コロナ禍においては対面のmeetingの実施が難しく、研究実施者の体調不良・入院治療などがあり、実施が難しかった。今後はスピード感をもって進めていく。
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