2020 Fiscal Year Research-status Report
Quantitative rationale for treatment and companion diagnosis of Alzheimer's disease
Project/Area Number |
20K07798
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
三條 伸夫 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, プロジェクト教授 (00343153)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アミロウドβオリゴマー |
Outline of Annual Research Achievements |
本プロジェクトのR2年度の目標は、①モデルマウス脳ホモジュネートにおけるアミロイドβオリゴマー(AβO)の定量、②モデルマウス脳切片におけるアミロイドβ(Aβ)とAβOの出現時期の詳細、③モデルマウス脳におけるAD病理の変化の詳細であったが、新型コロナウイルス感染症の流行により、緊急事態宣言が発令されたため、実験用マウスを飼育していた本学の動物実験施設への入場及び実験が制限されてしまった。このため、今年度に計画していた実験に遅れが生じている。 ①に関しては、単位タンパク質量あたりの2、7、14ヶ月齢のRikenマウス(knock-in with Swedish, Iberian, Arctic, APPNL-G-F/NL-G-F)および、14ヶ月齢Osakaマウス(APPOSK: APP-E693Δ)脳中の総アミロイドβとAβOの量をドットブロット法により測定し、2ヶ月齢のRikenマウスに対し、7ヶ月齢でおよそ2.1倍、14ヶ月齢で5.4倍の高値を示した。また14ヶ月齢Rikenマウス脳中AβO量は、同月齢のOsakaマウスよりも1.7倍程度高い傾向を示した。一方、6E10抗体(Aβ1-16)で検出した総Aβ量は、2ヶ月齢のRikenマウスに比べ、7ヶ月齢では約1.6倍、14ヶ月齢では約2.0倍の高値を示した。14ヶ月齢Rikenマウス脳中総アミロイドβ量は、同月齢のOsakaマウスよりもおよそ1.4倍高い傾向を示した。 ②に関しては、1、3、7、14ヶ月齢のRikenマウスの凍結脳切片を用いて、AβOを特異的AβO抗体で、フィブリル化したAβはThioflavin Sで染色し、共焦点顕微鏡で観察した。1ヶ月齢では、AβOもフィブリル化Aβも認められず、3ヶ月齢ではほぼ抗AβO抗体陽性像のみが存在した。Rikenマウスの行動異常出現時期以降とされる7ヶ月齢では、抗AβO抗体陽性像は大きく明瞭なThioflavinS陽性像の周りを囲むように存在した。 ③に関しては、ホモジュネートの作成ができなかったため、来年度以降に行うこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の流行により、緊急事態宣言が発令されたため、実験用マウスを飼育していた本学の動物実験施設への入場及び実験が制限されてしまったため。
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Strategy for Future Research Activity |
可能な範囲で、動物実験施設でのモデルマウスの飼育、脳サンプルの採取を行い、遅れている実験、特に、脳ホモジュネートを使用した生化学的実験を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の流行により、緊急事態宣言が発令されたため、実験用マウスを飼育していた本学の動物実験施設への入場及び実験が制限されてしまったことにより、生化学的解析に用いる脳のホモジュネートが採取できなかったため、解析に使用する抗体や薬品の分をR3年度に繰り越しました。R3年度にそれらのマテリアルを購入し、速やかに実験を行う予定です。
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Research Products
(1 results)