2021 Fiscal Year Research-status Report
炎症性腸疾患における新規粘膜関連細菌叢検出法を用いた腸粘膜炎症プロファイルの作成
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20K07801
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中村 正直 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (60467321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 隆 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (10378052)
山村 健史 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (10709091)
川嶋 啓揮 名古屋大学, 医学部附属病院, 准教授 (20378045)
藤城 光弘 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (70396745) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 潰瘍性大腸炎 / クローン病 / 腸粘液 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年の研究において潰瘍性大腸炎患者の腸粘膜採取に使用したネットカテーテルとブラシカテーテルは、双方において解析可能量を確保できることが証明された。本年度は両カテーテルによって採取される内容を比較した。 潰瘍性大腸炎患者4名(うち活動期2名)の下部直腸からネットカテーテル、ブラシカテーテルを用いて腸粘液サンプルおよび腸液吸引サンプルを収集した。粘液内細菌叢とタンパク質の含有量は、16SrRNA遺伝子シーケンシングと質量分析によって解析された。結果は、患者間においては粘液細菌叢のα多様性に有意差を示したが(p <0.05)、この差はサンプリング方法間では観察されなかった。ネットカテーテルサンプルは、ブラシカテーテルサンプルよりも高い総タンパク質濃度を示した。ブラシ群は、ネット群に比較して酪酸産生細菌であるLachnospiraが多かった。ブラシ群はまた活動期でブドウ球菌とDialisterの口腔細菌が多かった。結論としてブラシカテーテルは腸粘液の内層を収集する能力を有し、ネットカテーテルは腸液だけでなく外粘液層を含むより大きなサンプルを収集する可能性が高いことを示した。粘液の収集の種類が異なる2つのサンプリング方法は、粘膜の脆弱性を持つ患者間で異なる結果をもたらす可能性がある。以上を論文発表した。 同研究の質量分析において腸炎活動性患者の粘液内にカルプロテクチンなどの炎症マーカーに加えgelsolinを認めたことに着目し、138名の潰瘍性大腸炎患者の患者血液サンプルにおいて活動期でgelsolinの上昇を認め論文発表した。 ネットで粘液質量を多く採れることが解ったため、次に20名の潰瘍性大腸炎患者において回腸末端、盲腸、直腸の生検組織、腸粘液を採取し、腸炎の活動性と各サンプルの関係を解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腸粘液をネットカテーテルとブラシカテーテルを用いて腸粘液の採取内容の使い分けを見いだすことができ、最終目的である腸粘膜のプロファイルに向けて解析の道筋を見つけることができているため。
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Strategy for Future Research Activity |
20名の潰瘍性大腸炎患者において採取された回腸末端、盲腸、直腸の生検組織、腸粘液の炎症関連因子の解析を行う。 1患者内における炎症部位と寛解部位、例えば直腸炎症部位と盲腸寛解部位各々の粘液、粘膜組織を比較し炎症部のみに関係する因子を調べていく。
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Causes of Carryover |
ネットカテーテルとブラシカテーテルによって採取した腸粘液の比較解析において、粘液内細菌叢解析が中途であったため、その継続解析を行う計画としている。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Gelsolin as a potential biomarker for endoscopic activity and mucosal healing in ulcerative colitis2022
Author(s)
Keiko Maeda, Masanao Nakamura, Takeshi Yamamura, Tsunaki Sawada, Eri Ishikawa, Akina Oishi, Shuji Ikegami, Naomi Kakushima, Kazuhiro Furukawa, Tadashi Iida, Yasuyuki Mizutani, Takuya Ishikawa, Eizaburo Ohno, Takashi Honda, Masatoshi Ishigami and Hiroki Kawashima
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Journal Title
Biomedicines
Volume: -
Pages: -
Peer Reviewed
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