2022 Fiscal Year Research-status Report
炎症性腸疾患における新規粘膜関連細菌叢検出法を用いた腸粘膜炎症プロファイルの作成
Project/Area Number |
20K07801
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中村 正直 名古屋大学, 医学部附属病院, 准教授 (60467321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 隆 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (10378052)
山村 健史 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (10709091)
川嶋 啓揮 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (20378045)
藤城 光弘 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (70396745) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 潰瘍性大腸炎 / RNAシークエンス / 腸粘液 / 神経伝達因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
20名の潰瘍性大腸炎患者において大腸内視鏡時に回腸末端、盲腸、直腸の生検組織、腸粘液を採取した検体について、腸炎の活動性と各炎症マーカー、神経ー免疫系にかかわる測定項目について既報を基に研究分担者と選定中である。 追加で潰瘍性大腸炎患者3名の大腸内視鏡時における腸粘液をサンプルとし発症、再燃増悪に関連する因子の同定を目的とした。適切な検体採取の整合性を評価後、採取サンプル(炎症有無部位での比較)の網羅的解析を行った。独自の方法を用いて粘液層採取及びRNA抽出を行い、粘液層でのbulkのRNA seqを行った。ネットカテーテルによる粘液採取ではRNA抽出初期にネット自体が試薬内に溶け出し順調に進まなかったため、この実験は全てブラシ鉗子を用いて行った。腸粘液のRNAシークエンス実現性につき採取、抽出されたRNAの濃度、純度を測定しRNAシークエンスが可能と判断した。RNAシークエンスについてはraw dataから解析(QC, mapping, quantification, clustering, DE analysis, functional enrichment)を施行した際に神経伝達に関わる因子が複数指摘された。また我々の粘液層でのdata解析結果と、public dataの腸管上皮のRNA seqの解析結果を比較した。粘液層と腸管粘膜の網羅的解析結果を比較すると神経伝達に関連する因子が同定され、これらの因子が炎症に関与する可能性を考慮した。候補となった神経伝達因子については粘液内、粘膜内における存在をリアルタイムPCRで確認し、その各々が潰瘍性大腸炎の寛解期、活動期のいずれかで影響が大きいか調べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大腸内視鏡によるサンプル採取方法の調整については、既報が無かったため時間を要し、更に測定項目の選定に時間を要したため全体の進行としてはやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
サンプル採取調整が終わり、現在はサンプル採取方法、実験系は確立できたため現在のペースで進めることができれば研究を完遂できると考えている。
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Causes of Carryover |
サンプル採取が遅れていたため採取用ブラシ鉗子が十分準備購入できなかった。またその後の実験試薬の購入も遅れた。実験系が確立できたため次年度には十分な遂行が可能と判断している。
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Research Products
(2 results)