2022 Fiscal Year Annual Research Report
CalDAG-GEF1の止血分子メカニズム解明と新規機能の探索
Project/Area Number |
20K07808
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
古城 剛 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 臨床検査技師 (30837282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 宗一 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (20325814)
大山 陽子 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 医員 (20583470)
竹之内 和則 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (30646758)
小浜 祐行 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 臨床検査技師 (50837276)
橋口 照人 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (70250917)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 血小板機能異常症 / 血小板シグナリング / カルシウム / RasGRP2 / Rap1 |
Outline of Annual Research Achievements |
RasGRP2発現ベクター(Wild pRasGRP2)を購入し、これを基に昨年度作成したRasGRP2の一塩基置換(C→T)した変異をもつ発現ベクター(Mutant pRasGRP2)を用いて、HEK293細胞、Meg01細胞に導入した。カルシウムイオノフォアA23187によるHEK293細胞、Meg01細胞の刺激条件を検討し、Rap1活性化の至適刺激条件を確立した。次に、Wild pRasGRP2またはMutant pRasGRP2を導入したこれら細胞をA23187で刺激後のRap1活性化を比較すると、Wild pRasGRP2導入細胞に比べて、Mutant pRasGRP2導入細胞において、Rap1活性化が低下することを確認できた。このことは、当該患者でみられるRasGRP2 の一塩基置換(C→T)した変異は、Rap1のシグナル、つまり血小板におけるαⅡbβⅢの活性化(inside-out signaling)に影響を及ぼすことが示唆された。 次に、Wild pRasGRP2またはMutant pRasGRP2を導入したHEK293細胞、Meg01細胞におけるRasGRP2の発現量について、ウエスタンブロット法で検討した。Wild pRasGRP2導入細胞のRasGRP2に比べて、Mutant pRasGRP2導入細胞のRasGRP2では、その蛋白発現量が低下していることを見出した。また、健常者の血小板中のRasGRP2の発現量に比べて、本研究のRasGRP2遺伝子変異を持つ患者の血小板のRasGRP2は発現量が少ないことも確認できた。 最後に、Wild pRasGRP2またはMutant pRasGRP2を導入したHEK293細胞におけるRasGRP2蛋白の局在を免疫染色で検討した。Wild pRasGRP2導入細胞のRasGRP2は細胞質内で均一に発現しているのに対して、Mutant pRasGRP2導入細胞のRasGRP2は細胞質内の一部に局在していることが分かった。この局在については現在も実験を遂行中であり、今後詳細なデータが得られると考えている。 以上のように、本研究は当初計画していた概ねの実験を遂行することができており、追加の実験を行い一定の結果が得られた際には、論文発表を行う予定である。
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