2022 Fiscal Year Research-status Report
難治性DLBCLのゲノム解析による治療反応性の予測
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20K07818
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Hospital Organization Tokyo Metropolitan Komagome Hospital |
Principal Investigator |
下山 達 地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立駒込病院(臨床研究室), 腫瘍内科, 部長 (70450591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大保木 啓介 公益財団法人東京都医学総合研究所, ゲノム医学研究センター, 副参事研究員 (80415108)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 悪性リンパ腫 / 次世代シークエンシング |
Outline of Annual Research Achievements |
びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)は悪性リンパ腫の中で最も頻度の高い病型で、悪性リンパ腫全体の約40%を占める。近年の大規模なゲノム解析によってDLBCLについての不均一な生物学的背景が明らかになりつつある。患者ひとりひとりの遺伝子変化の特徴に基づいた治療選択の時代が目前に迫っていると考えられる。実際に、BTK阻害剤であるibrutinibは、層別化前のDLBCL患者では効果が見出しにくく最初の臨床試験では治療効果が得られていないものの、遺伝子変化に基づくDLBCL層別化を行うと、MCDサブタイプおよびN1サブタイプにおいて、その治療効果が顕著であることが最近報告された。MCD、N1サブタイプの遺伝子変化の特徴は、それぞれ、MYD88 L265PおよびCD79B変異(MCD)、NOTCH1変異(N1)である。これはCD79B変異とMYD88 L265P変異の両方を有する症例では80%と高い奏効を示すことを示した研究を支持するもので、将来のIbrutinibの使用は、遺伝子変化に基づいて層別化されたMCD、N1サブタイプ症例への選択的適応となる方向性が予想される。今後、NGSを利用したがん遺伝子パネル検査によって、患者ごとの遺伝子異常を得ることで、個別化医療だけでなく臨床開発を後押しできる可能性も期待されている。本研究では、難治性悪性リンパ腫における遺伝子変異に基づく個別化医療実施の遺伝子診断の基盤とするべく、NGS(次世代シークエンサー)によるカスタム作製リンパ腫パネルを用いた難治性DLBCL特異的な遺伝子プロファイル取得を行う。本年度は、カスタム悪性リンパ腫パネルによって取得した遺伝子変異の意義付けを終了した。さらに、提唱されているゲノム分類アルゴリズムを適用し、その結果を臨床検査で実施されている免疫染色(Hansアルゴリズム)によるGCB/non-GCB分類と比較し、GCB型の半数以上がEZBにアサインされることなどを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理由 カスタムデザインの悪性リンパ腫遺伝子パネルを用いて得られたin-houseの114症例についての累積の変異アリル(1713個)について、担当医へ返却するレポート様式を作成した。論文報告へ向けてのさらなる解析はやや遅れているものの、おおよそ計画どおりに進んでいると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、得られた変異アリルについての意義付けを継続し、担当医返却用の遺伝子レポート作成体制を構築していく。また、再発の有無によって、変異の偏りがないかどうかなど、変異アリルと臨床データや予後との関連について引き続き探索を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度に引き続き、1名のスタッフの育休が継続し、本年度の支出が計画よりも少なくなったため繰越金が生じた。繰越金は、主に論文掲載料等に充てることで執行する計画である。
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