2021 Fiscal Year Research-status Report
心不全における腹部臓器血流と腸内細菌叢に関する検討
Project/Area Number |
20K07828
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
義久 精臣 福島県立医科大学, 保健科学部, 教授 (40448642)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 心不全 / 腹部臓器血流 / 肝障害 / 腎障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
心不全において腹部超音波検査などを用いて、腎臓および肝臓におけるうっ血および低潅流の有無、ヘパトカイン、腸内細菌叢と予後の関係に関して、以下のような検討を継続し、順次公表を進めております。 ①葉間腎動脈のvelocity time integral (VTI)と腎内静脈の血流(IRVF)パターンを測定しました。ROC解析ではカテーテル検査で得られる心係数2.2以上を予測するVTIのカットオフは14.0 cmでした。IRVFが単相性を示す患者さんで非単相性を示す患者さんに比べて右房圧は高値でした。カプランマイヤー解析ではVTIが低値(14.0未満)の患者さんやIRVFが単相性の患者さんで心イベントの発生が高率でした。(Sci Rep. 2020: 22257.) ②心不全入院患者さんの腹部エコー、カテーテルを用いた侵襲的血行動態評価、心エコーのデータを収集し、さらに退院後の予後を追跡しました。肝臓のうっ血に関して、エラストグラフィー(SWE)値は右房圧、右房面積、下大静脈径と相関していました。肝臓の低灌流に関して、腹腔動脈の最大血流速度は心係数と相関していました。エラストグラフィー高値・腹腔動脈最大血流速度低値の患者さんは有意に退院後の心イベントの発生が高率でした。(J Am Heart Assoc. 2020: e016689.) ③肝静脈波形の意義について検討しました。心不全患者さんを肝静脈波形が連続性のC群、順行性のV波の存在するU群、V波が逆行性のR群の3群に分類した所、右房圧はR群にて最も高値でした。カプランマイヤー解析では心イベント回避率はR群にて最も低率でした。心不全患者さんにおいてV波が逆行性である肝静脈波形の存在は右房圧が高値であり心イベントのリスクが高いことが示唆されました。(CJC Open. 2021: 778-786.)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
上述の如く、研究成果に関して、順次論文公表を実施できている。
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Strategy for Future Research Activity |
心不全予後に関して、患者集団の前向き経過観察を継続し、収集したデータの解析および公表を継続して進めて参ります。
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Causes of Carryover |
論文公表費用の支払いなどが次年度初期に必要となったため。
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Research Products
(9 results)