2022 Fiscal Year Annual Research Report
中高年者の運動療法が体組成と血中リパーゼに与える影響の解析
Project/Area Number |
20K07841
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
木村 孝穂 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (90396656)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 運動療法 / 脂質代謝 / 糖代謝 / 体組成 / 中性脂肪 / リポタンパクリパーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は中高年者を対象に理学療法士と健康運動指導士、両方の有資格者の指導の下、6か月間運動療法を実施し、運動療法前後での体組成、糖代謝、脂質代謝マーカーの変動を解析するものである。本研究は脂質代謝において中性脂肪代謝の中心を担うリポタンパクリパーゼの血中動態の解析を中心を実施した。28人(男性1名、女性27名)が本研究協力者として登録し、13名が6か月間の運動療法を終了した。6か月間の運動療法を終了した13名の内、データ解析が終了している11人の中央値は年齢62歳、BMI 23.7、HbA1c 6.0%、空腹時血糖 86.0mg/dL、中性脂肪 192mg/dL、HDL-C 63.2mg/dL、LPL 83.1 ng/mL、GPIHBP1 860.7 pg/mL、HTGL 61.0 ng/mL、遊離脂肪酸 496.0 μEq/Lであった。運動療法は有酸素運動とレジスタンス運動を組み合わせたもので、内容は健康運動指導士と相談の上、年齢、性別、体格、登録時の全身状態を考慮して個別の運動プログラムを実施した。運動療法の結果:骨格筋率、体幹骨格筋率が有意に上昇し、体脂肪量、体脂肪率、体脂肪指数が有意に減少した。6か月間の運動療法後の中央値はBMI 23.2、HbA1c 5.9%、空腹時血糖 81.0mg/dL、中性脂肪 195.4mg/dL、HDL-C 65.4mg/d、LPL 100.5 ng/mL、GPIHBP1 791.8 pg/mL、HTGL 59.7 ng/mL、遊離脂肪酸 437 μEq/Lで運動療法前後で統計学的な有意差を認めなかった。本研究では運動療法により骨格筋率が上昇し体脂肪が低下したが糖・脂質代謝関連マーカーに有意な変化を認めなかった。原因として実施した運動量の違いが考えられるため、効果的な運動量を見出すべくデータ解析を進めている。
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