2021 Fiscal Year Research-status Report
筋萎縮性側索硬化症の神経心理・神経放射線学的検討(言語評価法の開発を含めて)
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20K07867
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
渡辺 保裕 鳥取大学, 医学部, 准教授 (20335540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 直人 鳥取大学, 医学部, プロジェクト研究員 (10838486)
笹岡 直人 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (80432607)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / 原発性進行性失語症 / 前頭側頭型認知症 |
Outline of Annual Research Achievements |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)や前頭側頭型認知症(FTD)の失語症状は,典型例は原発性進行性失語症(PPA)と一致したり少なくとも一部重複することを考慮し,PPAの3病型を評価するスケールを作成する.スケールの対象を,脳血管性失語症,他の神経変性疾患(アルツハイマー病,パーキンソン病,その他のパーキンソン症候群)まで対象を広げた. 評価項目項目数は10項目に増やして検討した.PPA,ALSおよびFTD患者,健常対象者,脳血管障害性失語症,他の神経疾患患者に対して実施した.現在まで104例に対して検査を実施した.今後より感度の高い採点方法を検討するとともに,失語領域の専門家にコンサルトを検討している. 以上より確定した,PPA評価スケールを用いてPPA,ALS,FTD他の疾患への妥当性を評価する予定である.また,アルツハイマー病,パーキンソン病等に関してもそれぞれの疾患に特徴的な障害パターンを描出できる可能性を得ている.先に記述したようにALSの言語症状はPPAの3病型に完全に一致することより,その不全型を経験することの方が多い.本スケールでALSの言語障害パターンを明らかにすることも可能と考える. 言語機能の他にもALSでは,FTDに類似した性格・行動変化,認知機能障害および失語症を高頻度に呈する.本研究はALSとFTD患者を対象に臨床データ(発症年齢,性,経過月数,発症部位,他),各種評価スケール(運動機能,認知機能,行動障害,および言語評価スケール)と定量的脳画像データ(MRI,SPECT)を集約して解析する.各モダリティ間の関連性と症状進展・予後予測因子を検討し,運動症状と多彩な非運動症状を包括したALSとFTDの全体像の描出を試みることを,研究の最終目標として掲げている.画像評価としてSPECTデータの統計解析に向けた最終と,評価方法の検討を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ALSやFTDの失語症状は,典型例はPPAと一致したり少なくとも一部重複することを考慮し,PPAの3病型を評価するスケールの作成を試みた.申請書に記載の評価項目1から9の具体的な質問項目の候補を選定したが,現在までの検討の結果項目数は10項目に増やした.PPA,ALSおよびFTD患者,健常対象者,他の神経疾患患者(主にパーキンソン病患者,アルツハイマー病患者)に対して,現在までに104例に実施している. 検査はラップトップコンピュータ上のモニターに提示し,質問の音声も合成音声をコンピュータから出力するようにした.結果的に,コロナ下に配慮して,検 者と被検者との会話と接触を最小限に抑えるものとなった. 現時点での懸念として,ALS患者,FTD患者のエントリーが少ないことが挙げられる.ALSの新規発生は人口10万人あたり2,3人と考えられるため,今後も症例の飛躍的な増大は望めないため,全国のALSセンターとの共同研究も念頭に計画をしている.
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Strategy for Future Research Activity |
①評価スケールの採点方法と解析方法に関して,失語領域の専門家にコンサルトを行うように調整を進めている.今後得点合計(中核症状+支持項目)が最も高い下位分類(PNFA,SD,LPA)が臨床診断と合致するよう各評価項目の得点を配分する.人工知能(AI)を利用したクラス分類も考慮する. ② PPA評価スケールの検証 PPA評価スケールをPPAの各病型,ALSおよびFTDの多数例で実施し,正常値(normative data)を確立する.評価対象を脳血管性失語症(Broca失語,Wernicke失語,他)に拡げ,本スケールにおけるPPA各病型と脳血管性失語症の違いを明らかにする.PPA評価スケールと標準失語症検査(SLTA)と比較しPPA評価スケールのバリデーションを行う.これらを行うために症例数の積み上げ,特にALSとFTD患者に注力する. ③ 音声データの解析 PPA評価スケール実施中の,自発言語,復唱,物品呼称等の音声データを解析し,各病型の音声診断の自動化を検討する. ④ 臨床データと臨床評価スケールの取得 単施設研究として,臨床データ(発症年齢,性,球症状の有無,病期,教育歴,発症部位,予後),評価スケール(運動機能(ALSFRS-R),行動異常(ALS-FTD-Q),認知機能(ECAS),言語(PPA評価スケール,SLTA),不安・抑うつ,呼吸機能)を取得する.収集した項目の相互関係,症状の進展様式,予後への寄与について検討する. ⑤ 定量画像評価 単施設研究として実施する.脳血流定量画像はstatistical parametric mapping(SPM)およびvoxel-based morphometry(VBM)として標準化して解析に供する.④の臨床評価パラメータと脳血流(SPECT)の相関を検討する.
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Causes of Carryover |
当初計画していた国内・国外発表のための旅費を使用する機会がなかった. 当初は謝金も検討していたが移動制限があり講演等に招待する機会もなかった.
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] Clinical trial of bosutinib for amyotrophic lateral sclerosis: Induced pluripotent stem cell-based Drug Repurposing for Amyotrophic Lateral Sclerosis Medicine (iDReAM) study2021
Author(s)
Keiko Imamura, Yuishin Izumi, Makiko Nagai, Kazutoshi Nishiyama, Yasuhiro Watanabe, Ritsuko Hanajima, Naohiro Egawa, Takashi Ayaki, Ryosuke Oki, Koji Fujita, Akiko Morinaga, Tomoko Hirohashi, Yosuke Fujii, Naoto Takahashi, Ryuji Uozumi, Satoshi Morita, Ryosuke Takahashi, Haruhisa Inoue
Organizer
32nd international symposium on ALS/MND
Int'l Joint Research
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[Presentation] A phase I dose escalation study of bosutinib for amyotrophic lateral sclerosis: Induced pluripotent stem cell-based drug repurposing for amyotrophic lateral sclerosis medicine (IDREAM) study2021
Author(s)
Haruhisa Inoue, Keiko Imamura, Yuishin Izumi, Makiko Nagai, Kazutoshi Nishiyama, Yasuhiro Watanabe, Ritsuko Hanajima, Naohiro Egawa, Takashi Ayaki, Ryosuke Oki, Koji Fujita, Akiko Morinaga, Tomoko Hirohashi, Yosuke Fujii, Satoshi Morita, Ryosuke Takahashi
Organizer
the World Congress of Neurology (WCN 2021)
Int'l Joint Research
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