2021 Fiscal Year Research-status Report
パーキンソン病における脳内-血液免疫系細胞のクロストーク開始起点と治療可能時間域
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20K07871
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 秀一郎 札幌医科大学, 医学部, 講師 (90532929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下濱 俊 札幌医科大学, 医学部, 名誉教授 (60235687)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 免疫細胞 / パーキンソン病 / モデル動物 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでのPDモデルラットを用いた新規治療法を創出する検討結果から進行性のドパミン神経細胞死の病態形成には脳実質外の、特に血管内免疫細胞の関与が大きいのではないかと考えた。この仮説を検証するためには血管内免疫系細胞と脳内免疫系細胞(ミクログリア)を識別する必要があり、GFP骨髄キメラ動物が必要と考えた。GFP骨髄キメラ動物はラットを動物種に選択肢、頭部を保護した上で放射線照射を行いGFP骨髄細胞と脾細胞を移植し作製した。更に、ドパミン神経に選択毒性をもつ6-OHDAを脳内に微量投与した上でGFP骨髄キメラPDモデルラットとした。6-OHDAを用いてドパミン神経細胞死を誘導した時に、いつ血管内免疫細胞が脳内移行するのか、そして血管内免疫細胞の中でどのサブセットの細胞がMGと相互作用し病態形成を進めるのかを確認するために6-OHDA投与1、2、3、7、14、21、28日後に同モデルラットを灌流固定後、脳を採取した。免疫組織化学染色、免疫蛍光染色にドパミン神経は抗Tyrosine hydroxylase(TH)抗体、ミクログリアは抗ionized calcium binding adaptor molecule 1(Iba-1)抗体を用い、リンパ球のサブセット解析としてCD4抗体、CD8抗体を用いて評価した。GFP陽性細胞に対してGFP抗体を用いた免疫組織化学染色を行い、中脳黒質領域におけるGFP陽性細胞数の経時変化を解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
免疫染色においてCD4発現が抗体の種類や染色条件を変更しても確認できていない。原因としてマウスに比べて入手可能なラットの表面抗原に対する抗体が限られること、表面抗原の発現量が少ないために、検出が蛍光顕微鏡下で確認することが困難である可能性も考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
解決しない際にはFACSを用いた確認やマウスを用いて同様のモデル動物を作製した上で再検討することも検討する。
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Causes of Carryover |
当初、脳内に移行した免疫細胞(リンパ球)のサブクラスを特定するために基本となるCD4、CD8の免疫染色を試みたが各種条件を変更してもCD4の検出はが困難であった。一方でCD8陰性で形態学的にリンパ球と考えられる細胞は確認しており技術的な問題が大きいと考えられた。現在、ISHや他の方法論で同細胞の特定方法につき検証の上、次年度の使用計画に組み込む予定である。
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