2020 Fiscal Year Research-status Report
パーキンソン病iPS細胞を用いた老化脳環境モデル作製と病態解明
Project/Area Number |
20K07873
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
石川 景一 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90733973)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / iPS細胞 / アストロサイト / ドパミン神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
パーキンソン病は主に中脳ドパミン神経が進行性に脱落する疾患であり、老化は最大の発症要因の1つである。近年ドパミン神経脱落の原因に、神経細胞維持等の機能に関わるアストロサイトやオリゴデンドロサイトといったグリア細胞の関与が指摘されている。本研究はiPS細胞から誘導したドパミン神経細胞とグリア細胞のひとつであるアストロサイトに老化促進化合物を用いて老化モデル細胞を作製し、さらにドパミン神経とアストロサイトを共培養することで、パーキンソン病の発症要因にグリア細胞の老化が如何に関わっているかを解明することを目的としている。 2020年度はiPS細胞からそれぞれ誘導したドパミン神経とアストロサイトの最適な共培養条件を決定することが最初の目標であったが、COVID-19の流行により培養作業ができなかったり制限されていた期間が長期にわたった。培養実験再開後に改めてiPS細胞からそれぞれドパミン神経細胞およびアストロサイトを誘導し、さらにそこから共培養条件の検討を行っている。ある程度共培養可能な培養条件を見いだしつつあるものの、神経成熟マーカー発現等一部の解析は終了しておらず、2020年度終了時点では最適化できたとまでは言えない。また平行して老化促進化合物使用条件下での共培養条件も現在検討中であり、次年度中になるべく早く条件を決定できるように取り組んでいる。これら条件が整えば遺伝性および孤発性パーキンソン病患者由来のiPS細胞を用いて老化とアストロサイトのパーキンソン病発症病態への関与についての解析を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は主にiPS細胞から誘導した細胞の培養条件を決定する実験を行う予定であったが、COVID-19流行により研究施設での培養実験を4月から開始することができず、培養実験を再開できたのが10月以降になったため、予定より研究進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19流行により研究進捗が遅れているが、再開後は予定通りに研究を進めており、引き続き計画していた研究を遂行する。
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Causes of Carryover |
COVID-19流行により培養作業ができない期間があったため、2020年度使用額が少なくなり、翌年度に繰り越した。 繰り越した費用は、予定していた研究を進め、主に細胞培養に必要な消耗品に使用する計画である。
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