2020 Fiscal Year Research-status Report
Drug discovery research for Alzheimer's disease targeting a novel SV2B-BACE1 interaction
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20K07884
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
葛谷 聡 京都大学, 医学研究科, 准教授 (30422950)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | BACE1 / SV2B / アルツハイマー病 |
Outline of Annual Research Achievements |
アルツハイマー病(AD)脳では、早期よりアミロイドβ蛋白(Aβ)オリゴマーによるシナプス障害が生じ、認知機能障害の発症に寄与するが、そのメカニズムには不明な点が多い。本研究の目的は、申請者が先行研究で発見したAβ産生酵素BACE1の新規結合シナプス小胞蛋白SV2BのADにおけるシナプス障害を標的とした創薬およびバイオマーカー候補としての妥当性を検証することである。具体的には、以下の基本計画を軸に研究を開始した。 A) SV2Bノックアウトマウス脳におけるBACE1のAPP切断活性やAβ産生におよぼすSV2B発現効果のin vivo検証 B) AD患者剖検脳におけるSV2Bの蛋白発現量やBACE1結合能とAD病理ステージとの関係を明らかにする。 C) AD患者脳脊髄液におけるSV2Bの発現プロファイルと既知ADバイオマーカーとの関係を明らかにする。 A)に用いるSV2Bノックアウトマウスを国内の共同研究先から譲渡予定だったが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う研究活動制限などから施設間の手続きなどに着手できず、しばらく難航が予想されたため、2年目以降の開始に変更した。代替実験として、SV2Bが神経老化に伴ってBACE1に及ぼす影響を検討するため、野生型マウス大脳皮質由来初代培養神経細胞を用いて神経老化によりAPPのβ切断およびAβ産生が亢進する系を構築した。B)については、国内のブレインバンク施設との共同研究契約が完了し、現在C)と併せて当院倫理委員会の申請手続きを行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う双方の施設の研究活動制限などから、SV2Bノックアウトマウス譲渡のための施設間の手続き開始が円滑に着手できなかったことが理由である。先行きが不透明ではあるが、今年度中に譲渡を終え、同マウスを用いた実験を着手する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
A)については、新型コロナ感染状況を見ながら、SV2Bノックアウトマウスの譲渡手続きを進める。 B)およびC)については、現在手続き中の倫理委員会の承認が得られ次第、予定通りの実験を進めていく。
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Causes of Carryover |
初年度にSV2Bノックアウトマウスを用いたin vivo microdialysisの実験を行うため、マイクロダイアリシスの機材一式を計上していたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い同マウスの譲渡手続きが遅れる公算となり、次年度から同実験を開始することに計画を変更した。
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