2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of the skeletal muscle regeneration therapy using new TRPV1 agonist
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20K07908
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
村田 顕也 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (90264853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 隆則 和歌山県立医科大学, 医学部, 特別研究員 (10725584)
幸田 剣 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (20433352)
檜皮谷 泰寛 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (40405452)
森 めぐみ 和歌山県立医科大学, その他部局等, 助教 (60590437)
廣西 昌也 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (80316116)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 骨格筋再生 / TRPV1 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨格筋再生の促進は、筋萎縮の抑制とともに筋疾患治療の重要な課題である。筋ジストロフィーや封入体筋炎を対象に筋細胞増殖抑制サイトカインであるMyostatinをブロックし筋萎縮を予防する臨床治験が施行されたが、いずれも失敗に終わった。また、多発筋炎などの炎症性筋疾患の治療として急性期には副腎皮質ステロイド剤が使用されるが、炎症終息後の筋再生に注目した治療法はいまだに確立されていない。 骨格筋再生の促進は、筋疾患の治療や高齢者の廃用性筋萎縮を予防する観点からも重要である。申請者らは、これまでカルパインやウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーターが骨格筋再生の促進因子であることを世界にさきがけて解明してきた。また、筋成長阻害因子であるMyostatinとその受容体であるactivin receptor Type IIBの血清中動態が筋萎縮の病態把握に重要であることを証明した。先研究で申請者たちは、Transient receptor potential (TRP)チャンネルファミリーの一つであるTRPV1が再生筋線維に発現し筋再生を予測するバイオマーカーになり得ることを報告した。本研究では、TRPV1アゴニストによる筋再生の治療法の開発をめざす。さらに同薬剤を使用しながら筋萎縮を予防するリハビリ訓練法を確立し、高齢化社会で問題となるサルコペニアの予防に寄与したい。 Transient receptor potential (TRP)チャンネルファミリーであるTRPV1は、カプサイシンにより活性化される痛みに関する受容体で主に皮膚や神経などに発現している。 TPPV1アゴニストには、ヒペリン、シングオール、カプサイシンが報告されているが、呉茱萸アルカロイドであるエボシアミンもカプサイシン同様の作用を有している。申請者たちは、エポサイシンに注目し、本薬剤の骨格筋再生機能について検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
デキタメタゾンを口投与したステロイドミオパチーモデル、後脚をギブス固定した用性筋モデルを作製する。筋障害部にカプサイシンを投与し、筋力回復の過程での運動量、運動負荷時の持久力を臨床評後 後下肢筋萎縮の程度を病理学的 生化学的 分子生物学的に解析し、その関連性を検討している。体重支持指0.4前後(通常歩行可能な程度)の健常高齢者を 象に下肢等尺運動の筋力 強プログラムを作成し、訓練を施行する。下肢筋力は等尺性筋力評が可能な機器を用いて定量的に計測し、筋萎縮の評価は各種画像に加えELISA法により検討し、血清中のTRPV1,カプサイシンをELISA法で定量的に測定し筋力の推移と比較検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終目標は、筋再生の促進を予測するバイオマーカーを見いだし、障害後の筋萎縮を予防する治療法を確立することである。 Cardiotoxin(10μM)投与による筋損傷モデルマウスを用い、損傷部の筋再生過程でのTRPV1,カプサイシンの発現を病理学的 生化学的 分子生物学的手法にて継時的に検討 する。当科では詳細な臨床データと照合可能な約500症例の凍結生検筋と血清のバンクを保有している。このバンクを用い、各種ミオパチーの筋萎縮や筋力低下や治療介入の有無(ステロイド治療 リハビリテーション)などの臨床情報と、生検筋でのTRPV1やそのアゴニストであるカプサイシンの発現を病理学的、生物学的 、分子生物学的手法で解析しその関連性を調べる。また、デキサメタゾンを経口投与してステロイドミオパチーモデル、後脚をギブス固定した廃用性筋モデルを作製する。筋障害部にカプサイシンを投与し、筋力回復過程での運動量、運動負荷時の持久力などを臨床評価し、下肢筋萎縮を病理学的、生物学的、分子生物学的に解析しその関連性を検討する。 健常高齢者のリハビリテーション効果の検討では。討体重支持指0.4前後(通常歩行可能な程度)の健常高齢者を対象に下肢等尺運動の筋力強化プログラムを作成し、訓練を施行する。下肢筋力は等尺性筋力評価が可能なCybexを用いて継時的に計測し、筋萎縮の評価はMRIの各種画像にELISA法による血清中TRPV1,カプサイシンをELISA法で定量的に評価し、筋力の推移と比較検討する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍当初は、海外の研究者との情報交換が困難であったが、その後独自の会議システムを構築し、頻回に会議を開催し、研究の遅れを取り戻している。
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