2020 Fiscal Year Research-status Report
development of a neurofeedback methd for depression by recovering cognitive and emotional dysfunction
Project/Area Number |
20K07920
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
松原 敏郎 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (60526896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 健一郎 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (50761011)
中川 伸 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60360905)
陳 冲 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (70783067)
藤田 悠介 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (40509527)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ニューロフィードバック / うつ病 / 光トポグラフィー |
Outline of Annual Research Achievements |
情動は認知機能に大きく影響することが知られており、たとえば、表情認知においては、陰性情動の表情は、陽性情動のそれよりも素早く認知され、うつ状態のうつ病患者ではその傾向が強まる。また、情動調整に関与する脳部位として前頭前野が挙げられるが、この部位は、認知機能にも関わっている。うつ病において、情動調整障害を改善させることで認知機能障害の回復も促進する治療法はないため、本研究で解明すべき課題は、うつ病患者において前頭葉を基盤とした情動調整障害を改善させることで、認知機能障害の回復も促進できるかである。まず、われわれは前頭葉機能を測定する機器として、患者に侵襲がなく測定が簡便な光トポグラフィー検査を選んでいるが、うつ病における光トポグラフィーを用いたこれまでの臨床研究をまとめた(Koji Matsuo, Toshio Matsubara. Mood Disorders: Brain imaging and Therapeutic Implications chapter13. Functional Near-Infrared Spectroscopy studies in Mood Disorders.166-174 Cambridge University Press. January 2021)。 また、光トポグラフィーを用い、うつ状態のうつ病における情動調整障害を報告した(T Matsubara et al.:75th Society of Biological Psychiatry in N.Y., USA, 2020.)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
情動語を用いて作成した情動文を刺激課題とし、脳機能の調整技法としてマインドフルネスの手法を参考にした呼吸法を用い、光トポグラフィーで脳機能を測定しニューロフィードバックにより脳機能を自己コントロールできるかを検証している。呼吸法とニューロフィードバックを行った場合は、呼吸法のみの時に比べ前頭部において脳機能の上昇を認めたため、そのことを報告しているが(T Matsubara et al.:73th Society of Biological Psychiatry in N.Y., USA, 2018)、前頭部の脳機能調整機能が充分でないと考え、新たなニューロフィードバック課題および調整法を検討中である。認知機能については、認知機能を評価する課題として、Working memory taskおよびdecision making taskを作成し、アルコール使用障害患者と光トポグラフィーを用いた脳基盤研究でその実用性を検証している(J Sasaki et al.: 75th Society of Biological Psychiatry in N.Y., 2020.)。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は、ニューロフィードバックのための情動刺激課題および情動調整法を再度作成し、健常人(山口大学の学生)を対象にしたpilot研究を行い、その前頭葉機能調整効果を検証する。そのうえで、うつ状態のうつ病患者(初発および反復性)を対象にした前向き介入研究を開始する。ニューロフィードバックの評価として気分や認知機能評価を行うが、頭部MRIを撮像しDTI解析を行うため、その解析準備も同時にしておく予定である。
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Causes of Carryover |
令和2年度はコロナウィルス感染症蔓延のため、学会発表が全く行えない状況であった。 令和3年度は学生参加によるpilot研究を行うなどして研究を進めて行くほか、webによる学会発表を行っていく予定である。
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Research Products
(6 results)